薬膳を深く理解し実践していくには、まず「陰陽五行」の考え方を知ることが大切です。
この動画では、
✔ 陰陽で世界を見るとは?
✔ 陰と陽の違い
✔ 陰陽の4つの法則(互根互用・対立制約・消長平衡・相互転化)
を解説しYouTubeで公開しています。
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以下はテキスト(文字おこし)も公開しております。
第二章「陰陽学説」陰陽の世界観
ナレーション
この世界を、たった二つで説明できるとしたら、あなたは、どう思うだろうか。すべてを、たった二つに分ける陰と陽。それは乱暴に見えて、どこか本質に近い。
だが、この言葉を学ぶ前に越えなければならないものがある。それは、「時代の壁」。陰陽は、はるか古代の人々が生み出した思想だ。
そしてもうひとつ。「異文化の壁」。
この考え方は、中国という異なる文化の中で育まれた。だからこそ、最初から理解しようとしなくていい。まずは、感じること。「なんとなく、陰な感じ」「なんとなく、陽な感じ」その感覚をつかむことから始まる。
そしてこの章では、陰陽を医療としてではなく、まずは、宇宙の法則として見ていく。
陰陽で世界をみる
世界は、二つに分けることで見えてくる。見上げれば、天。足元には地。昼と夜。太陽と月。この世界には、必ず対になるものが存在している。
古代の人々は、こうした現象を当たり前のものとして受け入れていた。
上へ向かうものは陽。
下へ沈むものは陰。
外へ広がるものは陽。
内へ収まるものは陰。
明るいものは陽。
暗いものは陰。
温かいものは陽。
冷たいものは陰。すべては、この二つの性質で捉えられる。
そして、太陽は陽。月は陰。
夏は陽。冬は陰。
昼は陽。夜は陰。
男性は陽。女性は陰。
さらに、食べ物にも陰陽がある。体を温めるものは陽。体を冷やすものは陰。
こうして世界を見ていくと、あることに気づく。陰と陽は、必ず反対の性質を、持っている。そして、二つに分けるからこそ、違いがはっきりと見えてくる。さらに、もうひとつ重要なことがある。バランスである。
暑い夏。私たちは、自然と冷たいものを求める。寒い冬。自然と温かいものを求める。誰に教わるでもなく、私たちは陰陽のバランスを取りながら生きている。
体に熱がこもれば、冷やす。体が冷えれば、温める。その感覚は、本能に近い。だから陰陽は、特別な知識ではない。すでに私たちの中にある感覚なのだ。
大切なのは、それを“意識すること”。日常の中で、こう考えてみる。これは、陰か。それとも、陽か。遊ぶように、世界を分けてみる。その繰り返しが、陰陽を理解する第一歩になる。
陰陽の法則とは
陰と陽の関係には、どのような法則があるのだろうか。ここからは、少しだけ専門的な言葉が出てくる。だが、難しく考えなくていい。漢字の意味を、そのまま感じてほしい。
陰陽の関係は、大きく四つの法則で説明される。
互根互用(ごこんごよう)
まずひとつめ。互根互用(ごこんごよう)
互いに根を持ち、互いに用いる。つまり、相手がいなければ、自分も存在できないという関係である。
上があるから、下がある。
光があるから、影がある。
陽がなければ、陰は存在せず、
陰がなければ、陽もまた存在しない。
相手がいなければ、自分もいない。
これが、陰陽の基本の関係である。
対立制約(たいりつせいやく)
ふたつめ。対立制約(たいりつせいやく)陰と陽は、反対の性質を持つ。だからこそ、互いを抑え合い、協力する働きがある。
たとえば、雨や寒い日ばかりが続けば、作物はうまく育たない。逆に、晴れや暑さばかりでも、同じように実りは失われる。豊かな収穫が得られるのは、陰と陽が、互いを抑えながら、同時に協調しているからである。
抑えることと、支えること。その両方によって、バランスは保たれている。
消長平衡(しょうちょうへいこう)
三つめ。消長平衡(しょうちょうへいこう)消長とは、増えたり減ったりすること。平衡とは、バランスのことである。
陰と陽は、常に変化しながら、バランスを取り続けている。夏は、なぜ暑いのか。それは、陽が強くなっているから。冬は、なぜ寒いのか。それは、陰が強くなっているから。
一見すると、偏っているように見える。だが、一年を通して見れば、全体としては、きちんと均衡が保たれている。増えすぎれば、やがて減り、減りすぎれば、また満ちていく。それが、自然のリズムである。
一日の中でも同じ。明け方から昼にかけて、陽が強まり、明るくなる。夕方から夜にかけて、陰が強まり、暗くなる。それぞれに役割があり、それぞれに“活躍の時間”がある。
この動き続けるバランスを消長平衡という。
相互転化(そうごてんか)
相互転化(そうごてんか)陰と陽は、ただ増えたり減ったりするだけではない。ある瞬間に、入れ替わる。「陽が極まれば陰になる」「陰が極まれば陽になる」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
物事には、必ず“極”がある。行き過ぎたものは、やがて反転する。
夏の暑さは、永遠には続かない。
夏至という極を境に、陽は陰へと転じていく。そして、秋から冬へと向かう。この転化こそが、循環を生み出している。
陰は陽へ。陽は陰へ。この入れ替わりがあるからこそ、世界は止まらず、循環し続けている。
クロージング
この四つの法則によって、陰と陽は、単なる分類ではなく、“変化し動き続ける関係”として理解される。
互いに支え合い、抑え合い、変化し続け、やがて入れ替わる。この流れこそが、自然の本質である。そしてこの考え方は、やがて人体へと応用されていく。体のバランスもまた、この陰陽の法則に従っている。
陰陽とは、世界を理解するための視点である。そしてその視点は、自分自身を知るための鍵にもなる。
最初から専門用語を暗記する必要はありません。薬膳の「陰陽学説」は、最初は言葉が難しく感じますが、まずはバランスを見る考え方だと覚えれば大丈夫です。
そのため、薬膳師は陰陽五行を詳しく知る必要がある。次回は、医学の中の陰陽学説を解説します。
