東京都薬用植物園に行こう!夏に咲き誇る花々と薬用植物を見学

西武拝島線、東大和市駅から徒歩2分で行ける東京都薬用植物園をご存知でしょうか?
生きた植物を自分の目で確かめられるので薬膳ファンなら一度は訪れたい場所。中薬学、方剤学の勉強にもなります。




園内は木陰やベンチもあり休憩する場所はありますが、植物を見学する場所は太陽の日射しを遮るものがないので、帽子や日焼け対策、虫対策をしておでかけください。

情緒をととのえる夏の花

玫瑰花(マイカイカ)

玫瑰花(マイカイカ)は蕾の時に摘み取りバラ茶としてよく使われます。芳しい香りでストレス、月経不順、胸脇痛を緩和してくれます。

ジャスミン

茉莉花(ジャスミン)

茉莉花は初夏から秋にかけて咲く開花期の長い可憐な花です。ジャスミンティーの香りの元にもなり開花前の花蕾を摘んで茶葉に混ぜて香りをうつします。
気を巡らせる働きでイライラを解消し精神を落ちつかせてくれます。

金銀花(キンギンカ・スイカズラ)

金銀花は白い花と黄色い花が同居することから金銀花と呼ばれます。清熱解毒の働くためイライラを鎮め、喉の痛みなどを緩和します。
茎葉は忍冬(ニンドウ)と呼び効能は清熱解毒、止痛に働きます。

清涼感ある水辺の花「ハスとスイレン」

ハスとスイレンは水辺に生息する水生植物で水の底の土や泥に根を張り水面(水上)に葉と花を展開します。

蓮(ハス)

ハスの花弁はやわらかい丸みを帯びています。蓮の花が散ったあと、根の部分のレンコンだけを食べるイメージがありますが、ほとんどの部位が漢方薬、薬膳食材としても有効利用されています。

睡蓮(スイレン)

スイレンの花弁は細長くシャープな形をしています。




薬効の鋭い植物たち

人参(オタネニンジン)の実

生薬の人参はウコギ科のオタネニンジンの根を使います。オタネニンジンは園内でひっそりと栽培されているので発見すると「おーーこれが人参か!」と嬉しい気持ちになります。
人参の名前は根の形が手脚のように見える部分が参集して人のような形なしていることに由来します。漢方では補中益気湯、人参湯に配合され優れた補気作用で大補元気に働きます。

曼荼羅華(マンダラゲ)

有毒植物の朝鮮アサガオは、麻酔がなかった時代に中国で鎮痛剤として外科手術の時などに使われました。アサガオやユリに似たラッパ型の白い大きな花を咲かせるナス科の一年草です。
薬用では曼陀羅崋(マンダラゲ)と呼ばれ、この曼陀羅華を主成分とする麻酔薬「通仙散」は日本の医師、華岡 青洲(はなおか せいしゅう)が完成させました。
乾燥葉は曼荼羅葉(マンダラヨウ)、種子は曼荼羅子(マンダラシ)

使君子(シクンシ)

使君子(シクンシ)は蔓性の植物で高さは3メートルほどになります。花は朝の咲き始めは白色で、午後になると赤く変わります。撮影したのが11時頃なので赤と白の花が混ざり綺麗です。




漢方では種子を使い回虫駆除薬として腹痛、小児癇癪などに使われます。

たくましい植物

へびうり

蛇瓜(ヘビウリ)

明治時代に渡来した蛇瓜は寒性と苦味の働きで冷やす作用が高いため熱病の治療に使われます。食用にするなら緑色で未熟果の時に収穫しますが、赤黄色く熟すと繊維が増え固くなるため食用には向かなくなります。

キャッサバ

キャッサバの茎の根元にできる塊根(イモ)からタピオカは作られます。アフリカや東南アジアなどの熱帯で栽培される作物なため養や水の乏しい土地でも、たくましく育つ成長力を備えています。

香水の植物

温室では香りに特徴のある花も見ることができます。

イランイラン

イランイランは東南アジアの植物で、マリリン・モンローが愛した香水「シャネルの5番」にも配合されオリエンタル調の官能的な甘い香りがします。
花びらは黄緑色から帯状に伸びて垂れ下がり黄色へと変化します。

プルメリア

ハワイのレイでも人気のあるプルメリアは優しい甘い香りがします。

夜香木(ヤコウボク)

夜香木は名前のとおり夜に花を咲かせます。別名はナイトジャスミン。植物園に夕方に何度か訪れましたが開花する場面には、まだ出逢えません。

薬用植物園の温室




場所:東京都小平市中島町21-1
入場料無料、無料駐車場あり
園内には車椅子用トイレがあり。花壇通路・温室内は車椅子で通行できます。
公式サイト:https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/lb_iyaku/plant/

関連記事