6.補う

カタクチイワシ・アンチョビ

薬膳効果
疲労回復、老化予防

アンチョビの薬膳効能を高める、食べ合わせと食べ方

アンチョビの原料は、主にカタクチイワシが使用されますが、他の小型イワシ類が使われることもあります。古代ギリシャ時代から、三枚におろし、塩漬けにして冷暗所で熟成発酵させ、オリーブ油を加え缶詰や瓶詰で保存されます。

アンチョビの薬膳効能

小さな瓶に詰まったアンチョビは、地中海の陽射しを思わせる香りと、凝縮された旨味が魅力です。アンチョビの主原料であるカタクチイワシは、『本草綱目』に「鰶魚(せいぎょ)」として登場します。
アンチョビの「益気活血」は、気を補い、血を巡らせます。発酵という熟成の過程を経ることで、吸収力が高まり、気血の巡りを良くする食材へと変化します。

また、塩味は五味の中でも「鹹(かん)」に分類され、腎を充実させ、老化を緩やかにする働きを持ちます。加えて、その強い旨味は食欲を刺激し、消化器の働きを高める効果も期待できます。

消化機能を高め、気を養う効果的な組み合わせ

食べ合わせ食材
ジャガイモ(健脾益気)
ブロッコリー(健脾胃、補五臓)
カリフラワー(補脾和胃)
にんにく(健脾開胃)

おすすめの食べ方「バーニャカウダー」

アンチョビソースの塩気と旨味が、ジャガイモ、ブロッコリー、カリフラワーなどの健脾にはたらく野菜たちと好相性!アンチョビでにんにくベースの温かいソースを作り、蒸しあげた野菜に絡めて食べると美味しいです。

血を巡らせて、アンチエイジング効果を高める組み合わせ

食べ合わせ食材
菜の花(活血化瘀)
ほうれん草(養血活血)
クルミ(温腎補血)

おすすめの食べ方「菜の花とアンチョビの和え物」

菜の花の血の巡りを促す作用は、血の滞りによって生じる、月経痛、肩こりを緩和し、アンチョビの塩味が菜の花の苦味をまろやかに包みます。クルミを加えると、アンチエイジング効果がさらにアップします。菜の花は食べやすく茹でたあとに、アンチョビは加熱しすぎず、サッと和える程度がベスト。

アンチョビは、カタクチイワシの「気を補い、血を巡らせる」力に加え、発酵の力で腎を補い、消化を助ける働きが高まった食材です。その効能をさらに引き出すためには、相性の良い食材と組み合わせるのがポイントです。

カタクチイワシ

カタクチイワシ属
分量
鹹甘/温
性味
脾、胃、腎
帰経
益気活血、健脾、健脳、強筋骨
効能
気虚証、血瘀証、疲労、健忘、眼精疲労
適応

アンチョビ

カタクチイワシ属
鹹甘/温
性味
脾、胃、腎
帰経
益気活血、明目、鎮静
効能
気虚証、血瘀証、疲労、健忘、眼精疲労
適応

本草綱目

鰶魚(せいぎょ):甘/温
火を助け痰を動じて疾を発する。痔瘻に貼る。