アンチョビの薬膳効能を高める、食べ合わせと食べ方
アンチョビの原料は、主にカタクチイワシが使用されますが、他の小型イワシ類が使われることもあります。古代ギリシャ時代から、三枚におろし、塩漬けにして冷暗所で熟成発酵させ、オリーブ油を加え缶詰や瓶詰で保存されます。
アンチョビの薬膳効能
小さな瓶に詰まったアンチョビは、地中海の陽射しを思わせる香りと、凝縮された旨味が魅力です。アンチョビの主原料であるカタクチイワシは、『本草綱目』に「鰶魚(せいぎょ)」として登場します。
アンチョビの「益気活血」は、気を補い、血を巡らせます。発酵という熟成の過程を経ることで、吸収力が高まり、気血の巡りを良くする食材へと変化します。
また、塩味は五味の中でも「鹹(かん)」に分類され、腎を充実させ、老化を緩やかにする働きを持ちます。加えて、その強い旨味は食欲を刺激し、消化器の働きを高める効果も期待できます。
消化機能を高め、気を養う効果的な組み合わせ
食べ合わせ食材
ジャガイモ(健脾益気)
ブロッコリー(健脾胃、補五臓)
カリフラワー(補脾和胃)
にんにく(健脾開胃)
おすすめの食べ方「バーニャカウダー」
アンチョビソースの塩気と旨味が、ジャガイモ、ブロッコリー、カリフラワーなどの健脾にはたらく野菜たちと好相性!アンチョビでにんにくベースの温かいソースを作り、蒸しあげた野菜に絡めて食べると美味しいです。
血を巡らせて、アンチエイジング効果を高める組み合わせ
食べ合わせ食材
菜の花(活血化瘀)
ほうれん草(養血活血)
クルミ(温腎補血)
おすすめの食べ方「菜の花とアンチョビの和え物」
菜の花の血の巡りを促す作用は、血の滞りによって生じる、月経痛、肩こりを緩和し、アンチョビの塩味が菜の花の苦味をまろやかに包みます。クルミを加えると、アンチエイジング効果がさらにアップします。菜の花は食べやすく茹でたあとに、アンチョビは加熱しすぎず、サッと和える程度がベスト。
アンチョビは、カタクチイワシの「気を補い、血を巡らせる」力に加え、発酵の力で腎を補い、消化を助ける働きが高まった食材です。その効能をさらに引き出すためには、相性の良い食材と組み合わせるのがポイントです。