豚の腸(モツ)大腸・小腸の違いと薬膳効能|潤腸作用で便秘や乾燥を改善
豚の腸は、一般的に「モツ」や「ホルモン」と呼ばれる部位です。大腸は「シロ」、小腸は「ヒモ」と呼ばれ、煮込み料理や焼き肉で親しまれています。
大腸や直腸は厚みがあり、脂の旨味と独特のコクが特徴です。煮込み料理では「モツ煮込み」、焼き肉では「ホルモン焼き」と呼ばれることが多く、日本でも昔から滋養食として食べられてきました。
中国料理では煮込みや揚げ物に使われることが多く、山東料理の代表格「九転大腸(大腸の醤油煮込み)」は有名な伝統料理です。
豚のモツの薬膳効能「補虚損」と「潤腸」
薬膳では豚の腸は「大腸」に帰経し、主な効能は「補虚損(ほきょそん)」「潤腸(じゅんちょう)」です。
「補虚損」とは、体力の消耗や慢性的な疲労を補う働きのことです。
豚のモツは、濃厚な脂と栄養を含み、虚弱体質や疲労感が強いとき、産後や病後の体力低下時に適した食材とされます。特に下半身の弱りを感じる人に向いています。
潤腸作用で便秘や乾燥を改善
豚の腸には「潤腸」の働きがあります。これは、腸を潤し、乾燥による便秘をやわらげる作用です。特に加齢や血虚によるコロコロ便、腸の乾燥感がある人によいとされます。
また薬膳では、「以蔵補蔵(いぞうほぞう)」という考え方があります。これは、同じ部位の臓器を食べることで、その臓の働きを補うという思想です。豚の腸を食べることで、人間の下焦、つまり下半身や排泄、生殖、腸の働きを整える助けになると考えられてきました。
そのため、以下のような不調に用いられることがあります。
・便秘
・痔
・脱肛出血
・排泄力の低下
胃腸が弱い人は食べ過ぎに注意
一方で、豚のモツは脂が多く、消化に負担がかかる食材でもあります。薬膳では、胃腸が弱い「脾虚(ひきょ)」タイプや、軟便・下痢を繰り返しやすい人は食べ過ぎに注意が必要とされます。
また、冷たいビールや大量の脂と組み合わせると、胃腸に湿がたまり、重だるさや消化不良につながることがあります。この場合は、薬味として生姜、ねぎ、山椒、にんにくなどを加えると、消化を助け、重さをやわらげることができます。

