卵で叶える体力回復とメンタルケア
卵は、古来より中国でも日本でも滋養強壮の食材として、鶏類のなかで最も重要な家畜とされてきました。効能は体力回復、精神安定、肌の潤いを保つ効果が高く、薬膳では体力強化やメンタルケアに役立つ食品です。
心の不安定を整える卵のパワー
卵は薬膳において「陰をふやし、血を養い、肌に潤いを与える」食材として古くから重宝されてきました。また、精神の安定にも効果が期待できる薬膳食材として知られています。特に、気血不足やエネルギーの消耗が原因で心が不安定になっているとき、卵黄が持つ鎮心安神の働きが心を安定させます。
精神の不安定や不眠の薬膳レシピ
薬膳では、精神の不安定や不眠の際に「卵黄とナツメのスープ」や「卵と蓮の実のおかゆ」などが取り入れられてきました。これらの料理には、心を落ち着かせる食材が巧みに組み合わされています。
ナツメは「養血安神(ようけつあんしん)」といって、心を養い安定させる働きがあり、ストレスや不安の緩和に効果的です。
蓮の実は「養心安神(ようしんあんしん)」といい、精神を落ち着かせ、不安や不眠を和らげるとされています。卵の滋養強壮作用と相まって、疲れた心を穏やかに整える組合せです。
病後の体力低下の薬膳レシピ
江戸時代の文献には、落玉子は病人や幼児に使われる栄養品と記載されるほどで、卵は「五臓を補い、血を養い、心を落ちつかせ、胎を安定させる」食品です。体力低下の時には、鶏肉をよく煮てスープを作り、卵を加え、生姜、塩で味をととのえるものを食べると良いとされています。
疲労が続いて心が不安定なときこそ、卵の薬膳効果で心身を整えます。