心の健康と脾腎の能力を高める蓮の実
蓮の実は中国では生薬と食材の両方で使われます。食材では餡に加工して菓子に用いられ「蓮茸月餅(蓮の実入り月餅)」が代表的です。蓮の実の真ん中にある「蓮芯(れんしん)」は苦味が強いため食材として売られているものは芯を取り除いたものが使われます。

蓮の実と蓮芯
薬膳の効能は消化の要である脾の働きをよくし食事からの栄養を吸収しやすい体にととのえます。また心を落ち着かせ精神の安定にも貢献してくれます。
食が細く体力がとぼしく、それゆえに精神不安になりやすい人に向いている食材です。
脾と腎の機能を高める効果
蓮の実は脾虚(脾胃が弱い)に適した食材です。脾虚の人は体質的に消化機能の低下があり、軟便、消化不良、不眠、おりもの過多になりやすい傾向にあります。
蓮の実の「補脾」と「補腎」の働きは食べ物からエネルギーを吸収しやすい体に戻し虚弱による体質を改善してくれます。
心を健やかにして不安感を解消する
「心」が原因で起こりやすいトラブルは、心が落ち着かない(精神不安・煩躁感)、夢をよく見るなどがあげられます。そのような症状がある時は薬膳では心を養う「養心」の食べ物をとり養心安神の処方を試みます。悩みすぎ、疲労などで心が落ち着かない時は、養心安神プラス脾の働きをよくする蓮の実が有用です。