4.通す

茉莉花(ジャスミン・ジャスミンティー)

薬膳効能
上半身の痛みの軽減

茉莉花の香りとジャスミン茶の効能

茉莉花は「まつりか」の花を指し「アラビアジャスミン」とも呼ばれ、主にアジアから中東にかけての広い地域で自生しています。特に中国、インド、アラビアは茉莉花の主要な産地として知られています。

薬膳の効能はウツウツ気分を解消する「解鬱」、気持ちを穏やかにする「安神」で鎮静に働きます。さらに気を巡らせる「理気」の働きで、上腹部の脹痛、悶々とした胸苦しさ、頭痛などを緩和させる効能をもちます。

女性に好まれる花茶「ジャスミンティー」

茉莉花は中国・明代の『本草綱目』に初出し、宋代に入ると栽培がすすめられ、香り高い茉莉花は女性のための芳香療法や香水製造に広く使用されました。アジアの一部の国では、夜の女王や月の女神と結びつけられることもあり様々な文化で愛される花です。

茉莉花はジャスミン茶の原料としても知られています。
花は、初夏(頭花)、盛夏(伏花)、秋(秋花)の年3回収穫できます。摘み取った花蕾を茶葉に混ぜ、茶葉が香りを吸い込む特徴を利用し着香させます。ジャスミンの花がまだ咲ききらない蕾を摘み集めて、茶葉3:ジャスミン1の割合で揉みこみ香りを移して作られます。

生理痛、イライラ、ストレス軽減

花の香りが溶け込むジャスミン茶は女性特有の悩みである生理痛、あるいはストレスからくるイライラなどの精神的な疲労の軽減に役立ちます。
プレシャーやストレスがかかると気の流れが滞るので、気を巡らしてくれるジャスミン茶またはジャスミンの香りを上手に用いると良いでしょう。

中医営養学

モクセイ科ソケイ属
辛甘/温
性味
心、脾、肝
帰経
理気解鬱、僻穢、安神和中
効能
鬱、心煩、怒りっぽい、不眠
適応

東方栄養新書

ジャスミン茶:安神、醒目、行血袪瘀、清頭目。免疫向上、造血促進。
目と頭の働きを回復させ、眠気をはらい精神を集中させます。

食エッセイ「ジャスミン」

月光の精霊が舞い降りる芳香

ジャスミンは、その花が放つ甘美な香りによって深い魅力を漂わせます。
最初に迎える香りは、花の輝きや清潔感を広げて存在を誇ります。香りが進むにつれ、官能的な深さや感情を引き立て、最後には穏やかで心地よい余韻を残してくれる。

柔らかく繊細でありながらも、その花自体の強い個性を感じさせる香りは、心身を解きほぐし精神的な余裕をもたらすでしょう。

ジャスミンの香りは月光の精霊が舞い降りて、心を優雅な舞踏に誘うかのよう。

三花茶「茉莉花、菊花、金銀花」

人はプレシャーやストレスがかかると気の流れが滞ります。顕著に表れるのは上半身で胸のつかえや息苦しさ、時には頭痛をおこします。

香りのある花や食材は、気によく働きかけて、気の詰まりを散らしてくれます。ジャスミンティーにひと手間加えるとアロマテラピー的なお茶がつくれます。
ジャスミンティーに菊花と金銀花を加える「三花茶」やジャスミンティ―に柑橘系のフルーツを加える。なども効果的です。