7.除く

花梨(カリン)/木瓜(モッカ)

薬膳効能
咳止め

咳止めや喉の痛み予防に

カリンは中国原産で日本には弘法大師が招来したと言われている果実。酸味と渋味があり収斂作用があることから古くから咳止め効果で知られています。
カリンをよく洗い輪切りにして弱火でじっくり煎じて飲むと下痢止めにもなり、またクエン酸を含むため疲労回復にも役立ちます。
生食すると青酸中毒を起こしやすいので、果実酒、ジャムなどに加工して利用しましょう。

カリンとボケの違い

日本ではカリンのことを木瓜と称していますが違いがあります。
カリンの実は「榠櫨(めいさ)」といい咳をとめたい時や痰を除きたいときに使います。
ボケの果実は「木瓜(もっか)」といい関節の腫れを鎮めたり、浮腫みや湿を除く働きがあります。

中医営養学

花梨(カリン)
酸渋/平
性味
肺、脾
帰経
消痰止咳、燥湿
効能
から咳、疲労
適応

中医営養学

木瓜(モッカ)
酸/温
性味
肝、脾
帰経
平肝舒筋、和中除湿
効能
湿気による関節痛、脚気
適応

東方栄養新書

酸渋/平 肺胃肝 去痰止咳、和胃止嘔、解酒

花梨と木瓜の花と実

花梨ってどんな植物?

花梨は中国原産のバラ科カリン属で別名「安蘭樹(あらんじゅ)」とよばれ、4月の下旬頃に開花をむかえ白や薄いピンク色の可愛いらしい花をつけます。花はひとつひとつ独立し大きめです。

カリンの花

夏から秋にかけて実がふくらんで青色から黄色く熟してくる10月~11月下旬ころに収穫期をむかえます。熟した花梨は甘酸っぱい独特の香りがします。もし熟しが足りない場合は風通しの良い場所で追熟させてください。

カリンの実

ボケ(木瓜)ってどんな植物?

ボケは中国中部を原産とするバラ科の落葉樹で3月中旬から5月上旬にかけて開花します。花の形はウメに似ており、樹高は2mから3mほどで若枝に褐色の短毛があります。
葉は長楕円形で枝先に5枚の花弁からなる花をつけ、紅花をヒボケ、白花をシロボケ、紅白が混じったものをサラサボケと呼びます。

ボケの花

ボケの実(木瓜)