1.温める

馬芹(クミンシード・クミンパウダー)

薬膳効果
冷痛の緩和、消化促進

温活!体を温めるスパイス「クミン」

クミンはエジプトが原産で北アフリカから世界中に広まり最も古くから栽培されているスパイスです。ほろ苦さと土っぽさのある強い香りは多くの地域で使われ、料理に独特の風味を与えることで知られています。

クミンの生薬名は馬芹(バキン)。薬膳の効能は、お腹を温め冷えによる痛みや消化不良を解消し健胃整腸に働きます。

お腹を温めて巡りを良くする

クミンは熱性で体を強くあたためる性質があることから温活スパイスの代表的な存在です。クミンのもつ「散寒止痛」の働きは腹部周辺を温めて冷えによる胃痛、月経不順、淋証を改善します。また辛味の発散力で気を巡らし「健胃」に働き消化を促進します。

クミンシードとクミンパウダーの使い方

クミンシード(種子)と呼ばれますが植物上は果実です。小舟のような細長い形をしており、油でじっくりと炒めると香りが引き立ちカレーやスープ、炒め物の香りづけに使われます。
クミンパウダーは、クミンシードを挽いて粉末状にしたもので料理に使いやすい特徴があります。

クミンパウダーとクミンシード

中医営養学

セリ科クミン属
甘辛/熱
性味
胃、肺
帰経
散寒止痛、健胃理気
効能
胃寒腹痛、冷えによる消化不良、食欲不振
適応

新華本草綱要

辛/温 袪寒止痛、理気和胃
用途:消化不良、胃寒腹痛

薬膳スープ「クミン」

クミンを入れるだけの薬膳スープ!

体調にあわせた野菜でスープを作りクミンを加えるだけで薬膳スープになります。面倒な時は市販のスープにクミンパウダーを加えるだけでもOK!
スープに風味付けとして使うと深みや豊かな香りが加わりスープの味を引き立ててくれます。

温活クミンカボチャスープ

カボチャは温性で気を補うことから疲労回復に働く野菜です。クミンやニンニクを加えることで温活・健胃に役立つスープに仕上がります。

<作り方>
カボチャを薄くスライスし、玉ねぎとニンニクを一緒に炒めてクミンパウダーと塩、こしょうで味を調えます。野菜がしんなりするまで炒めたらブイヨンと水を加えてやわらかくなるまで煮込みます。
ブレンダーで滑らかになるまで混ぜ、仕上げに生クリームまたは牛乳を加え、好みでクミンパウダーを振りかけて出来上がりです。

潤肌のクミントマトスープ

トマトは美肌に必要な潤いを与えてくれますが、体を冷やす性質があるため冷えが気になる人は敬遠しがちです。でもクミンを加えることで寒熱のバランスが調和されるので安心して食べることができます。

<作り方>
玉ねぎとにんにくをみじん切りにしオリーブオイルで炒めます。トマト缶とクミンパウダーを加えて煮込みます。野菜が柔らかくなったら、手動またはブレンダーでなめらかになるまで混ぜます。
味を調えてお好みのハーブを散らし彩りを加えると食欲をそそるスープになります。