健康と美容の果実「桑の実」
日本では桑は主に蚕の食草として栽培され果実の利用は発展しませんでしたが、近年ではアントシアニンに抗酸化作用があることで健康や美容食として注目されるようになりました。
一方、中国では古くから果実は食用や薬用と利用され、桑の実を食べれば、白髪を予防し、目は光がさしてよく見えるようになる「黒髪明目」の民間薬として好まれ、葉と根皮は生薬として利用されてきました。
肝腎の滋養食材
桑の実は肝腎を滋養するため、肝腎の衰えにともなう老化症状(耳鳴り、視力低下、膝腰弱い、ふらつき)を改善する抗衰老に働きます。
漢方「桑の実の効能」
桑の実の生薬名は「桑椹(ソウジン)」、養血薬に分類されています。
熟した桑の実は赤黒色でその色合いから、血を養い滋陰補血に働きます。陰血不足による、眩暈、目かすみ、白髪、不眠に有効ですが薬性が緩和なため続けて食べる必要があります。
養血薬とは
血虚を改善するときに用いられます。血虚の一般症状は、顔色に艶がない、口唇や爪が蒼白、頭のふらつき、めまい、月経周期の延長、不眠、健忘などがあります。このような症状がみられる時は積極的に養血の食材をとるとよいです。