4.通す

納豆(ナットウ)

薬膳効能
胃腸の機能を高める

大豆と納豆の違い!薬膳効能・栄養効果の違いとおすすめの食べ方

大豆と納豆はどちらも高い栄養価を誇る食品ですが、発酵過程を経て作られる納豆には大豆にはない効能が加わります。
蒸した大豆にナットウ菌を加え発酵させと大豆よりビタミン類を多く含み、特にビタミンB群は皮膚、髪、爪を丈夫にするほか、代謝を促し疲労の回復を助け、肌荒れにも効果があります。

発酵すると胃腸に優しくなる

大豆と納豆は、どちらも消化機能を高める「健脾」の働きがあります。
しかしナットウ菌により大豆のタンパク質が消化しやすくなっているため、脾胃虚弱(消化機能が弱い)の人が、気を補い体調をととのえるためには納豆の方が優れています。

発酵すると血を巡らせる力がアップする

発酵の過程で納豆は「温性」の食品になるため体を温める効果が高くなります。さらに血の巡りをよくする「活血」の働きが加わって血の巡りを促進させます。
これはナットウ菌により作られる納豆キナーゼが血栓を溶かして除く作用のことを示しているようです。肩こり、冷え性、関節痛の悩みがある人は納豆をおすすめです。

大豆と納豆の効能は似ていますが、目的に合わせて使い分けることで、より効果的に健康をサポートできるでしょう。

中医営養学

大豆の発酵食品
甘/温
性味
脾、肺
帰経
活血解毒、補気健脾
効能
血瘀証、脾胃虚弱、便秘
適応

食エッセイ「納豆」

今日は納豆の食べ方を変えてみようかな

たぶん納豆って生活の匂いのする食品だと思う。日本の伝統の香りというのではなく、納豆に漂うのは庶民的な生活の匂いだ。なんというか…。体温と湿度がある日本の土着の空気がそのまま凝縮されたような、ちょっと湿った自然の温度感。

そして納豆の糸を見ていると、なんだか切れない関係みたいに見える時がある。少し面倒でも長く続く人間関係のように味わい深い感じ。なるほど!その繋がりの中で人間関係も少しずつ発酵していくのだろうか?

納豆の食べ方も色々でマイルールみたいなものがあり、生卵を混ぜるか、青ネギを散らすか、しっかり混ぜるか、あえて混ぜないか。なんだか生活の習慣があらわれる。
すぐにプツッと切れる恋愛とか、人間関係に嫌気がきたら、納豆の食べ方を工夫するように少し変えてみるのもいいかもね。

漢方理論を意識した納豆の食べ方

納豆は栄養価が高く薬膳の観点でも体に優れた効果が期待できますが、食べ合わせを工夫することで体質や性別、健康状態により合わせた効果を高められます。ここでは陰陽理論を意識したおすすめの食べ方を紹介します。

血余と女性!血は女性の身体を支える

中国の最も古い医学書『黄帝内経』に血余という言葉が使われています。
血余(血に余裕)があれば、髪、爪、肌ともに艶とハリがあり、精神的にも安定すると表されています。
特に女性は月経で血を失いやすい身体です。
納豆の効能「補気」に加え「補血」を意識した食材を選んで美容、健康、安眠をサポートする納豆を食べましょう。
卵の養血安胎、黒ゴマの補益精血など

陽と男性!陽は活動的でエネルギーの源

陰陽論では男性が「陽」で女性が「陰」にあたります。陽が満たされていれば外に向かって活動的に働くことができるので、男性は陽を意識したエネルギー補給が必要になります。
納豆にキムチを加えれれば、唐辛子、ニンニク、ショウガなどの陽のパワーを簡単に補給でき、スタミナ強化と疲労回復を目指す納豆が出来上がります。