1.温める

辣韮・薤白(ラッキョウ・ガイハク)

薬膳効果
生活習慣病予防

らっきょうの薬膳効果|巡りを整え胸のつかえを解消する“食べる生薬”ガイハクとは

カレーの付け合わせ、というイメージが強いらっきょうですが、古くから巡りを整えるために使われてきた生薬でもあります。中国を原産とし、生薬名を「ガイハク」と呼ばれるらっきょうは、食用と薬用の両方に使われることから、薬膳では「食薬」として扱われます。

なんとなく胸が苦しい、気分が重い、胃腸が冷えている。そんな現代人に多い不調に、らっきょうはシンプルに働きかけてくれる食材です。

らっきょうの薬膳における基本性質と薬膳効能

らっきょうは中国原産の香味野菜で、古くから食材でありながら生薬としても用いられてきました。
薬膳的な働きは、辛味で温性という性質から「停滞したものを動かす力」が非常に強いのが特徴です。
らっきょうの代表的な効能は、次の2つに集約されます。

■ 通陽散結(つうようさんけつ)
冷えによって滞った気の巡りを回復し、体の中のなんとなくの詰まり感を、ほどいてくれます。
・胸がつかえる
・圧迫感がある
・ストレスで呼吸が浅い
らっきょうの発散の力で内側からゆるめてくれます。

■ 温中下気(おんちゅうげき)
お腹を温めながら、気の流れを整え、逆流した気を下げる働きです。
・胃もたれ
・げっぷ
・冷えによる消化不良
「冷え×気の運動の失調」による胃腸トラブルに適しています。

らっきょう酢漬けの効果|アリシンで胃腸を活性化

らっきょうの代表的な食べ方が「酢漬け」です。酢に漬けることで辛味の発散力は弱まりますが、らっきょうが食べやすくなる調理法です。非加熱のためアリシンが残るため、胃腸の働きを活性化し食欲増進につながります。特に食欲が落ちているときや、疲れて消化力が弱っているときに適しています。ただし胃の粘膜を刺激するため、食べすぎには注意しましょう。

現代の研究では、らっきょうに含まれる成分により、コレステロールの低下、中性脂肪の減少といった作用が報告されています。これは、血流の改善や生活習慣病予防にもつながる可能性があり、薬膳の「巡りをよくする」という考えとも一致しています。

中医営養学

ヒガンバナ科ネギ属
辛苦/温
性味
肺、胃、大腸
帰経
通陽散結、温中下気、健胃消食、辛散温通
効能
脾陽虚証、脾胃気滞証
適応

東方栄養新書

辛苦/温 大腸、肺、胃
理気寛胸、通陽散結、温中下気、抗菌

薬膳レシピ「らっきょう」

詰まった夜に、らっきょう

どうしてこんなに、うまく流れていかないんだろうと思う夜がある。仕事でも恋でもない、もっと曖昧な何かが胸の奥に引っかかっている。そういうとき、冷蔵庫の奥にあるらっきょうを思い出す。

流れない夜は、だいたい考えすぎている。そういうときは、赤ワインを飲んで、指先で野菜をつまんで、らっきょうのソースを少しだけつけるくらいでちょうどいい。
全部を解決しなくても、少し流れれば、それで十分だから。

薬膳デリレシピ|らっきょうバーニャカウダと鶏と野菜のプレート

赤ワインの「補陽」で内側を温めながら、らっきょうで詰まりをほどく。重くならず、それでいて余韻が残る、大人のためのデリプレート。

<材料(1〜2人分)>
・らっきょう酢漬け 4〜5粒
・にんにく 1/2片
・アンチョビ 2枚
・オリーブオイル 大さじ3
・豆乳(または牛乳) 大さじ2

〈具材〉
・セロリ、パプリカ、ズッキーニ、ブロッコリーなど
・グリルした鶏もも肉 または 鶏むね肉
・バゲット少々

<作り方>
にんにくとアンチョビを弱火でオリーブオイルに溶かし込むように加熱し、香りが立ったら火を止めます。そこに刻んだらっきょうを加え、余熱で軽くなじませることで香りと発散力を残します。仕上げに豆乳を加えてなめらかに整える。
野菜は食べやすくカット、鶏肉はグリルして皿にラフに盛り付け、温かいままソースを添えます。バゲットは軽くトーストして添えると、全体のバランスが締まります。