3.調える

粳米・白米(うるちまい/はくまい)

薬膳効果
元気の源、胃腸強化

胃腸を整え、精神を落ち着かせる毎日の養生食

日本人にとって身近な主食である白米。薬膳では「気」を補い、胃腸を整え、精神を穏やかにする大切な養生食材です。イネは大きく分けると、短粒種の「ジャポニカ種」と、長粒種の「インディカ種」に分類されますが、日本で主に栽培されているのは、粘り気があり、ふっくら炊き上がるジャポニカ種です。

中国名の「粳米(こうべい)」は、このジャポニカ種のうるち米から、糠や胚を取り除いて精米したものと記されているため、薬膳書に登場する「粳米」は、私たちが日常的に食べている白米とほぼ同じものです。

白米の薬膳効能|補中益気・健脾和胃・除煩

薬膳では、胃腸は「気」を作り出す場所と考えます。白米は、弱った脾胃をやさしく補い、消化吸収を助けながら、身体を動かすエネルギー源を作ります。

・補中益気(胃腸を丈夫にして力をつける)
・健脾和胃(消化機能を回復)
・除煩(イライラ、不眠、心煩を取り除く)

お粥|除煩・益精強志と安眠の薬膳効果

白米には「除煩」という働きがあります。これは、イライラや不安感、胸のざわつき、落ち着かなさを和らげる作用のこと。また、喉や口の渇きを潤し、熱による不快感を鎮める働きもあるとされます。
さらに、白米はお粥にすることで「益精強志」の働きが高まる養生食となり、「精」を養い、気力を補い、志(精神的エネルギー)を強くさせます。そのため疲労が続いているときや、神経を使いすぎて消耗しているときにも向いています。

薬膳では、不眠や気持ちの落ち着かなさには、白米と「蓮の実(連肉)」を一緒に炊く方法があります。
蓮の実は、昔から精神安定の養生食として使われてきました。白米のお粥に蓮の実を加えることで、胃腸に負担をかけずに気力を養い、心身を穏やかに整えることができます。寝つきが悪いときや、考えごとが多くて眠りが浅いときにもおすすめの食べ方です。

中医営養学

イネ科イネ属
甘/平
性味
脾、胃
帰経
補中益気、健脾和胃、除煩
効能
脾胃虚弱証、泄寫、息切れ
適応

本草綱目

甘苦/平。益気、止煩、止漏、止渇、温中、和胃気、壮筋骨

薬膳レシピ「お粥」

白米のお粥は、弱った私にいちばんやさしい

若い頃は、白いごはんを軽く見ていた。バターの香りがするパンとか、深夜のパスタとか、刺激の強いものばかり欲しくなって、白米なんて退屈だと思っていた。

仕事で気を張り続けた夜。
スマホばかり見て、脳みそが熱を持っているみたいな夜。
誰かの言葉に傷ついたくせに、それを認めたくなくて、コンビニの強い味ばかり食べてしまう夜。そういうとき、最後に身体が欲しがるのは、結局お粥だったりする。

お粥にすると「益精強志」。消耗したエネルギーを補い、弱った精神を立て直す働きが高まるらしい。
勝たなくていい。
映えなくていい。
ちゃんとしてなくていい。ただ、温かいものを飲み込んで、眠れるところまで自分を戻していく。

不眠とストレスに|蓮の実となつめの安眠粥

白米の「除煩」「益精強志」に、蓮の実の安神作用、なつめの補血作用を組み合わせた、精神を穏やかにする薬膳粥。考えごとが止まらない夜や、疲れているのに眠れない人におすすめです。

<材料(2人分)>
白米…1/2合
水…800ml
蓮の実(乾燥)…20g
なつめ…4個
はちみつ…少々(お好みで)

<作り方>
・蓮の実は軽く水につけて戻す。
・鍋に白米、水、蓮の実、なつめを入れる。
・弱火で30〜40分ほど煮込む。
・とろりとしてきたら完成。
・お好みではちみつを少量加える。

続けて食べることで、心身の消耗をやわらげ、眠りの質を整える助けになります。