クチナシの実はサフランの色素成分クロシンが含まれるているためサツイマイモ、クリ、和菓子、たくわんなど、黄色の天然着色料として古くから用いられてきました。
薬としての役割は鎮静、消炎、解熱、止血、精神不安など、熱によって引き起こされる症状に使われます。
*クチナシの果実は胃腸が弱く軟便気味の人には適しません。
2.冷ます
山梔子(サンシシ/クチナシ)
- 分類
- アカネ科クチナシ属
中医営養学
- 期待される効果
- 苦/寒
- 性味
- 心、肺、胃、三焦
- 帰経
- 寫火除煩、清熱利湿、涼血解毒
- 効能
- 胸中不快、心煩、膀胱湿熱
- 適応
本草綱目
梔子:苦/寒 治五内の邪気、胃中の熱気、面赤酒皰(ニキビ)。療目赤熱痛、胸心、大小腸の大熱、心中煩悶。去熱毒風、利五淋。
山梔子の由来と使い方
クチナシの果実を乾燥させてつくる生薬を山梔子(サンシシ)といいます。
『本草綱目』には「巵は酒器のことであり、巵の子がそれに象(に)ているから名付けた」と述べられています。
和名のクチナシの由来には諸説ありますが、寒さにあたり朽ち果てるまで裂開しないことから「口無し」と言われています。また将棋盤の脚はクチナシが型取られており勝負には第三者による「口出無用」を意味を示すそうです。
薬として用いる時は、「上焦、中焦を治すには殻のまま用る。下焦には殻を去り洗って黄漿を去り炒って用いる。血病を治すには黒く炒って用いる」「心胸中の熱を去るには仁を用いる。肌表の熱を去るには皮を用いる」の部位別の使い方が古典に紹介されています。