薬膳効果
利尿、解熱

セリは春の七草で体の熱と湿を整えるデトックス野菜

せりは東アジア原産の野菜で、春先に旬を迎えます。野生のせりは「田ぜり」と呼ばれ10cmほどの若い茎を伸ばした状態で収穫されます。一方、栽培される「水せり」は水田で育てられ、40cmほどまで成長したものが流通します。

薬膳的には、野生のせりのほうが香気成分が豊富で、栄養価や薬効も高いとされています。この「香り」こそが、せりの大きな特徴であり、体への働きを左右する重要な要素です。

せりの薬膳効果|清熱利湿と利尿でデトックス

薬膳におけるせりの主な効能は「清熱利湿」「利尿」です。黄色っぽいおりもの(帯下)が出るタイプの人は、体内に「湿熱」がこもっているサインとされ、せりのような食材が適しています。

・余分な熱を冷ます
・湿(水の滞り)を取り除く
・尿の排出を促す
これらの働きにより、以下のような不調に適しています。むくみ、ほてり、春先の重だるさなどに適しており、「湿」と「熱」を排泄し、軽やかな状態へと導きます。

せりの香りの力|春のストレスと巡りを整える

せりの特徴的な香りは、単なる風味ではなく、気の巡りに働きかける重要な要素です。薬膳では、春は「肝」の季節とされ、ストレスや感情の滞りが起こりやすい時期。
せりの香りは、この滞りをゆるやかにほどき、心と体の巡りを整えます。

ただし、この香り成分は熱に弱く、加熱すると蒸散してしまいます。そのため、薬膳的な効果を活かすには、加熱時間を短くする、仕上げに加える、軽く火を通す程度にするといった調理法がおすすめです。

せりを食べる際の注意点|体質に合う使い方

セリは体質によっては注意が必要です。特に以下の方は摂取量に気をつけましょう。
・潤い不足(陰虚)の人
・胃腸が弱い人
・子ども、妊婦

せりは、春の始まりに体を整えるための薬膳食材。その一方で、体を冷やしやすい性質もあるため、取り入れ方には少しの意識が必要です。

中医営養学

セリ科セリ属
甘/涼
性味
肺、胃
帰経
清熱涼血、利水、平肝
効能
湿熱証、小便不利、帯下
適応

東方栄養新書

甘辛/涼、肝腎、清熱利湿、利尿、肝臓の保護、抗不整脈

薬膳レシピ「せり」

春はセリの香りで。

春になると、身体の中に、説明のつかない濁りが残る。冬のあいだに溜め込んだものなのか、それとも、新しい季節に追いつけない焦りなのか。
むくみとか、だるさとか、そういう言葉に置き換えることもできるけれど、本当はもう少し曖昧で、もう少し個人的な違和感。そんなとき思い出すのが、せりの独特な香り。

強いわけでもないのに、やけに輪郭がはっきりしていて、口に入れた瞬間、体の奥のどこかが「流れ始める」感じがする。ああ、余計なものを抱えたまま、春を迎えようとしていたんだな、と気づく。
せりは、そういう「うまく言葉にできない滞り」を、静かに外へ出してくれる。

薬膳レシピ|せりと豆腐のさっと和え(デトックス)

余分な熱と湿を抜く、軽やかな一皿。余分な水分と熱を抜きながら、必要な潤いは残すバランス食です。

<材料(2人分)>
せり:1束
絹ごし豆腐:1/2丁
白ごま:小さじ2
醤油:小さじ1
ごま油:少々

<作り方>
せりはさっと熱湯にくぐらせ(10秒ほど)、すぐに冷水にとる
水気を絞り、3〜4cmに切る
豆腐は軽く水切りし、手で崩す
すべての材料をやさしく和える

<薬膳ポイント>
せり:清熱利湿・利尿(デトックス)
豆腐:熱をとり潤いを補う(浄血美容)

せりは加熱しすぎないことで、香りと効能をしっかり活かせます。