1.温める

紫蘇・しその葉(シソ・ソヨウ)

薬膳効能
胃腸ケア、花粉症の緩和

風邪、花粉症、胃腸、妊娠悪阻にも使える万能食材!

紫蘇は中国原産のシソ科の一年草。風邪予防や胃腸の調子を整えるだけでなく、妊娠悪阻の軽減や花粉症対策にも役立つ万能な薬膳食材。
効能は温性と辛味で体を温め発汗させ、気の流れを促す作用をあわせもち、寒さからくる風邪や胃腸ケアなど、古くから薬草として大切にされてきました。

解毒の働き「食あたり、魚介類の毒消しに」

お刺身に添えられている紫蘇は、魚、蟹などの毒素を除く働きで中毒を防ぐための知恵でもあります。

紫蘇の「紫」は葉の色のことを示し、本草綱目では紫蘇の「蘇」が記載されています。紫蘇の名前は中国の後漢から三国時代にいた伝説的な名医「華佗(かだ)」が、蟹を食べすぎて中毒になった若者たちを紫の汁で助けて蘇ったことから、紫蘇になったとの言い伝えがあります。
紫蘇のおかげで回復し「紫の葉が蘇らせた」として「紫蘇(しそ)」の名がつきました。

理気の働き「風邪、花粉症、妊娠悪阻の緩和に」

漢方薬では赤紫蘇の葉「蘇葉(ソヨウ)」の乾燥したものを使いますが、生の青紫蘇にも同じような効果を期待することができます。
葉の部分は発汗を促し、寒さをとるのに優れており、茎部分は気の流れを良くする働きがあるため、風邪予防、花粉症の鼻づまり、吐き気(妊娠悪阻)を緩和する万能食材です。
性質が緩やかなため、虚弱者にも利用でき、「気」の流れを促し、不安やストレスによる胃の不調も和らげます。ストレスを感じやすい方にもおすすめの薬膳食材です。

中医営養学

シソ科シソ属
辛/温
性味
肺、脾
帰経
発表解表、健胃解毒
効能
風寒感冒、解魚蟹毒、食欲不振
適応

本草綱目

蘇:辛/温・下気、除寒中、補中益気

赤紫蘇と青紫蘇

青紫蘇と赤紫蘇の違い・用途別の使い分け

紫蘇には大きく分けて 青紫蘇(大葉) と 赤紫蘇 の2種類があります。それぞれ香りや成分、用途が異なるため、使い分けることでより効果的に取り入れることができます。

青紫蘇(大葉)の特徴と用途

青紫蘇は葉の両面や茎がともに緑色です。清涼感のある香りが特徴的で香味野菜として薬味などに使われます。
主な用途は
・刺身のツマ・薬味(食中毒予防にも効果)
・和え物・サラダ(細かく刻んでアクセントに)
・天ぷら(サクッと揚げると風味UP)
・おにぎり・寿司(ご飯との相性◎)
・ハーブティー・青紫蘇ジュース(爽やかな香りでリラックス)

青紫蘇

青紫蘇

赤紫蘇の特徴と用途

赤紫蘇は葉の両面がともに濃い赤紫色で青紫蘇よりもアクが強めです。生食より加工向きで、梅干しの色付けや風味付け、赤紫蘇ジュースなど使われます。
主な用途は
・梅干しの色付け(赤紫蘇漬けで鮮やかな色に)
・ 紫蘇ジュース(クエン酸を加えると赤に変化)
・ ふりかけ・ゆかり(ご飯のお供に)
・ 酢漬け・漬物(大根や生姜の色付け)
・ シロップ・ゼリー(お菓子作り)

赤紫蘇

赤紫蘇

用途に合わせて使い分けてみてくださいね