チンゲンサイの薬膳効果|熱を冷まし胃腸を整える。女性の巡りにもよい青菜
チンゲンサイは、中国南部を原産とするアブラナ科の野菜です。日本には1970年代の日中国交回復の頃に伝わり、中華料理の普及とともに一般家庭でも親しまれるようになりました。
露地物の旬は秋ですが、現在はハウス栽培によって一年中流通しています。みずみずしい葉と厚みのある茎が特徴で、炒め物やスープ、おひたしなど幅広い料理に使われています。青軸のものを「チンゲンサイ」、白軸のものを「パクチョイ(結球しないハクサイ)」と呼びます。
清熱除煩|体の熱を冷まし、イライラを鎮める
チンゲンサイの代表的な効能が「清熱除煩」です。
これは、体内にこもった熱を取り除き、気を下へ降ろす働きのこと。のぼせやイライラ、熱っぽさを鎮める作用があります。特に、怒りっぽい、顔がほてる、目が充血しやすい、といった「肝陽亢盛(かんようこうじょう)」タイプの人に向いています。
また、体の潤い不足によって熱が生じる「陰虚(いんきょ)」にもよいとされ、乾燥しながらほてるタイプの不調にも使われます。みずみずしい青菜の清涼感は、熱を抱え込みやすい現代人の体を静かに冷ましてくれます。
健脾活血|女性の血行不良や産後ケアに
チンゲンサイには、「健脾活血」の働きもあります。
「健脾」は胃腸を元気にすること、「活血」は血流を促すことを意味します。血行が滞ると、肩こり、生理痛、顔色の悪さなどが起こりやすくなります。
チンゲンサイは血の巡りを助けるため、女性の血行障害によいとされ、産後の血のうっ滞を取り除く食材としても利用されてきました。さらに、チンゲンサイには抗酸化作用を持つビタミンCが豊富に含まれています。血管を丈夫に保つ働きも期待され、美容やエイジングケアの面でも注目したい野菜です。
通利胃腸|胃腸にたまった老廃物を流す
チンゲンサイは胃腸にたまった不要なものを流し、消化機能を整える「通利胃腸」の作用も持っています。
薬膳でいう「食積痰湿(しょくせきたんしつ)」とは、食べ過ぎや脂っこい食事によって、胃腸に未消化物や余分な水分が停滞した状態のことです。この状態になると、胃もたれ、お腹の張り、食欲不振、だるさなどが現れやすくなります。
チンゲンサイは余分な熱や湿を取り除きながら胃腸を軽くするため、食生活が乱れた時のリセット食材としても役立ちます。
安神|熱による不眠や高ぶった体を落ち着かせる
チンゲンサイには、「安神(あんしん)」と呼ばれる、精神を落ち着かせる働きもあります。
薬膳では、体に余分な熱がこもると「心神」が乱れ、寝つけない、眠りが浅い、夢を多く見る、イライラして眠れないといった不眠症状が起こると考えます。
特に、ストレスや疲労によって熱が上にのぼる「肝陽亢盛」や、潤い不足によって熱を持つ「陰虚」のタイプでは、心が落ち着かず眠れなくなることがあります。チンゲンサイは、体の熱を冷ましながら気を下へ降ろす性質があるため、高ぶった神経を静め、自然な眠りへ導く助けになります。
夜にほてりを感じる時や、イライラして寝つけない時には、油を控えめにしたチンゲンサイのスープや蒸し料理がおすすめです。
チンゲンサイを食べる時の注意点
古い文献には、チンゲンサイを食べ過ぎると「陽気」を損ない、足がむくみやすくなるという記述があります。
冷えやすい人は生姜やネギなど温める食材と組み合わせることが大切。季節や体質に合わせて取り入れることで、チンゲンサイの薬膳効果をより上手に活かすことができます。
