5.潤す

豆乳(トウニュウ)

薬膳効果
虚弱改善、老化予防

豆乳と牛乳どっちが体にいいの?薬膳における効能や使い分けのポイント

豆乳と牛乳のどちらを選んで飲むことが多いでしょうか?栄養素についての比較記事は多くありますが、薬膳の効能を考えながら選んでみるのはいかがでしょうか。

どこの臓腑に働きかける?「帰経」で比較する

豆乳は植物性のたんぱく質が豊富で女性のホルモンバランスの調整に役立つとされています。
薬膳では「肺」「脾」「大腸」の機能を補います。特に肺を滋潤するため、から咳を改善し、全身の皮膚への潤いを保つ効果も期待できます。

牛乳は動物性のたんぱく質とカルシウムが豊富で、体力回復や骨の強化に役立ちます。
薬膳では「心」や「肺」の機能を補います。豆乳と同じように乾燥を防ぐ作用があり乾燥肌や便秘などに効果的とされています。

豆乳は更年期障害の緩和や老化の予防に

豆乳の主な効能には、咳を鎮め、痰を取り除き、尿の出を促進し、母乳の分泌を良くする効果があります。豆乳が肺に作用すると、「鎮咳化痰」の効能で肺を潤して痰を取り除き、脾胃に作用すると、消化機能を高め「通淋」「通乳」の効能で、出にくい状態を改善し、尿、母乳の通りを良くします。

また、豆乳に含まれる大豆由来の高品質なたんぱく質は、筋肉や組織の修復を助け、体力の回復や虚弱体質の改善に役立ちます。さらに、豆乳に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをし、更年期障害の諸症状を緩和する効果が期待できます。豆乳は平性(性質が中庸)で、冷え性の方でも安心して飲むことができます。

牛乳は体力強化、成長、発育に

牛乳は動物性たんぱく質が豊富で、気血を補い骨を強化するため、体力の強化、成長期の発育に必要な栄養を提供し体を丈夫にしてくれます。また、心に作用することで、心を落ち着かせストレスによる不眠の改善にも役立ちます。
牛乳は微寒(冷やす性質)を持ち、体内の余分な熱を取り除きながら、体を滋養します。

中医営養学

大豆の加工飲料
甘/平
性味
肺、脾、大腸
帰経
補虚損、鎮咳化痰、通淋、通乳
効能
肺熱、津液不足、産後虚弱、小便不利
適応

東方栄養新書

甘微鹹 涼または平 脾心肺腎肝膀胱
潤肺化痰平喘 利尿通便 補虚養血、浄血、肝機能改善、骨粗鬆症予防

食エッセイ「豆乳」

「もう少し頑張りたい」って思う女性を支える豆乳

豆乳を一口飲むと、じわっと安心するような、心の柔らかいところに染み渡る感覚がする。
この感覚が千年以上も前から「豆乳は女性のための飲み物」だった理由かもしれない。

古代中国の漢の時代にはすでに存在し、日本でも精進料理や薬膳として伝来し、ついでに美を追い求める女性たちの心を掴んできたという。そんな豆乳が現代の女性にも受け入れられているのは、やっぱり豆乳が私たちに優しさだけじゃなく、強さもくれるからだろう。

大豆イソフラボンが更年期の症状を和らげ、筋肉をサポートするタンパク質が健康をサポートし「もう少し頑張りたい」って思う女性の毎日を支えてくれる。

少しずつ柔らかく、だけど確かに変わっていく自分を、豆乳はずっと支えてくれる。肌の保湿、ホルモンバランスの調整、エイジングのケア、心も体もなめらかにしてくれる。