1.温める

山椒・日本山椒(サンショウ/ワサンショウ)

花椒と日本山椒の効能と使い分けと薬膳的な違い

山椒には中国で使われる「花椒(ホアジャオ)」と、日本で古くから親しまれている「日本山椒」があります。どちらもミカン科の植物ですが、風味や薬膳的な効能、使い方に違いがあります。

種類、分類、用途の違い

日本山椒(山椒/サンショウ)
学名:Zanthoxylum piperitum

日本で古くから使われる香辛料。葉、実、皮などが利用され、実は小さく、鮮やかな緑色(熟すと黄緑〜褐色)。外皮は割れない。うなぎの蒲焼き、田楽、和風煮物、佃煮などに利用。若葉(木の芽)を木の芽和えや吸い物に、実山椒を佃煮やちりめん山椒にする。

中国山椒(花椒/ホアジャオ)
学名:Zanthoxylum bungeanum または Zanthoxylum armatum

主に中国で栽培される。四川料理に欠かせないスパイスで、実はやや大きめで赤褐色、乾燥すると外皮がパリッと割れる。油に漬けて香りを移した「花椒油」や、粉末にした「花椒粉」として使うことが多い。麻辣味の料理に必須(麻婆豆腐、四川火鍋、口水鶏など)

薬膳効能の違い

日本山椒
性質は温性で、脾を温め、消化を助ける効果があります。また、肝に作用するため明目の働きが加わり、関節などの溜まる湿気を除き、屈伸を楽にさせます。

中国山椒
蜀椒(しょくしょう)という生薬名があり、性質は熱性、強い辛味、燥散して寒さを除く効能があります。脾胃を温め、冷えによる消化不良や下痢に良く、また、除湿作用で体内の余分な湿気を取り除きます。

山椒も花椒も痺れるような辛さがあり舌を麻痺させますが、花椒の方が一般的に辛味は強いです。

中医営養学

ミカン科サンショウ属
分量
温/辛
性味
脾肝
帰経
温中、降気、消腫、明目
効能
冷痛、歯痛、胸のつかえ、関節の痛み
適応