【後編】国際中医薬膳師の学校・難易度・仕事|失敗しない選び方

国際中医薬膳師を目指すと決めたとき、次にぶつかるのが「どこで学ぶか」という問題です。実は、学校選びによって、学びやすさ、資格取得のしやすさ、その後の活動などが変わります。
ここでは代表的なスクールと、難易度・仕事のリアルを解説します。

薬膳師の学校|日本中医学院・本草薬膳学院・日本食養学会

薬膳師の受験資格が得られる代表的な機関は日本中医学院、本草薬膳学院、日本中医食養学会です。ただし取得できる薬膳の資格名称と認定団体に違いがあります。

日本中医学院では、中国政府認定団体である中国中医薬研究促進会認定の「国際中医薬膳師」の受験資格を得ることができる。一方、日本中医食養学会は、中国政府公認機関である世界中医薬学会連合会認定の「国際中医薬膳師」に対応しています。(イスクラ中医薬学院も世中連認定)

また、本草薬膳学院で取得可能な資格名称は「国際薬膳師」。従来は、中国国家中医薬管理局に属する中国薬膳研究会が認定証書を発行していたが、2024年以降は、日本最大規模の薬膳専門家団体である日本国際薬膳師会が認定証書の発行を担っています。

日本中医学院|薬膳の王道ルート

日本中医学院は東京・文京区本郷に拠点を持ち、中医学や薬膳を本格的に学ぶ王道ルートです。日本における初めての伝統医学の大学教育機関として設立され、中国の国立北京中医薬大学の日本校だった背景があることから、理論の深さに定評があります。

・本格的な中医学を学べる
・通学・オンライン両対応
・集中講座は土日

<卒業生・実績>
・薬膳サロン主宰者を多数輩出
・薬膳コンシェルジュ協会代表 杏仁美友さん
・タレントの光浦靖子さん
・青屋 青山ゆきさん
表現者や料理家にも選ばれてきた実績があります。
私は国立北京中医大学日本校の時の卒業生で、青山ゆきさんの料理本で薬膳に興味をもったのがきっかけで、中医薬膳専科で学び国際中医薬膳師を取得しました。

日本中医学院(国立北京中医大学日本校)で学んだ薬膳の世界

カロリーや栄養素が「食の知識」だと思っていました。けれど薬膳に出会って、その前提は変化していきました。
食材には役割があり、体質や季節によって選び方が変わる。医食同源という考え方のもとで語られる効能や、陰陽五行の知見と視点、どれも初めて触れるものばかりでした。

気づけば私は「薬膳料理を作る」という感覚から少し離れて、もっと大きなものに惹かれていました。
自然の巡りをどう捉えるかという視点、思想や哲学としての奥行き、薬膳用語の響き、漢字の並びが持つ洗練された美しさ。ひとつひとつに、意味があり、歴史があり、知れば知るほど、深く引き込まれていったのです。

薬膳に大きな魅力を感じることが出来たのは、当時の中医薬膳専科の講師陣が素晴らしかったからだと思います。中国・北京中医薬大学において研鑽を積まれた中医師であり、一般的な教科書では得難い知見に加え、中国語文献や古典医学文献の読解に基づく専門的内容についても教授を受けることができました。先生方は中医学の学術書および論文を執筆されていたので、専門的かつ多面的な学びを深めることができました。

おかげで、この世界をもっと知りたくなり、中医中薬専攻科へ進み、さらに3年間かけて学びを深め、国際中医師を取得しました。
その後は、卒業生が中心となって活動する学術団体に身を置き、講座の手伝いや文化祭の運営に関わったのちに、今も薬膳の世界とゆるやかにつながり続けています。

本草薬膳学院|通学・通信・オンラインに対応

本草薬膳学院は、学び方の自由度と実践力の高さが魅力です。もともと北京中医大学日本校と関係のある流れから独立した背景を持っているので、伝統+現代的アレンジのバランス型。

・通学・通信・オンラインに対応
・東京・大阪・福岡・名古屋・札幌など全国展開
・平日・土日などライフスタイルに合わせて選べる
・教材の質が高く復習にも最適

実はこの「教材の強さ」はかなり重要で、中医学(中国伝統医学)を専門とする出版社が編集を手掛けているため、その内容は事典に匹敵する専門性を備えています。また、書店やオンラインを通じて流通しており、入手が容易であることから、私もこれを取り入れ、日々の薬膳実践における知見の補強に活用しています。

<卒業生・実績>
・ごきげん薬膳ごはん 麻木久仁子さん
・通信講座(ユーキャン)の監修
・テレビ番組での料理監修(イタリアン薬膳など)

見せる薬膳・伝える薬膳に強いのが特徴で「実践・発信・仕事化」を意識する人に向いています。

日本中医食養学会|登録機関で講座ビジネスが可能に

日本中医食養学会の特徴は、資格と仕事が直結する仕組みが設計されているところです。もともとは日本中医学院と長らく一緒に歩んできましたが、現在は千代田区内神田に移転し独自の展開として、幅広い薬膳講座、薬膳フェス、薬膳旅行などを開催しています。

・ステップアップ式で資格取得
・初級40時間で資格取得(薬膳アドバイザー®など)
・上級で国際中医薬膳師へステップアップ
・全国20以上の登録機関で学習可能

特徴的なのが、資格取得後の強みです。
・登録機関の主宰者になれる
・登録機関になれば講座ビジネスが可能
・資格(薬膳アドバイザー等)を発行できる

これは他のスクールにはない大きな特徴なため、「学び」その先の「ビジネス設計」まで考えている人に向いています。

国際中医薬膳師 難易度|合格するために必要なこと

結論から言うと、「しっかり学べば合格できるが、簡単ではない」レベルです。

<難しく感じる理由>
・中医学の基礎(陰陽・五行・臓腑、診断)
・食材、生薬の効能の暗記
・弁証施膳(体質判断)
つまり、料理というより医学寄りの知識が求められるのが特徴です。

<合格のポイント>
・学校のカリキュラムをしっかり理解
・試験対策講座を受講する
・過去問題を何回も繰り返す
・課題の弁証施膳と薬膳レシピを暗記する
丸暗記でもよいのですが、体感とセットで学ぶ方が身につく学習だと思います。

<まとめ・3校の違い>
日本中医学院:学問としての薬膳は王道(本格派)
本草学院:実践と発信に強い(バランス型)
日本中医食養学会:資格と仕事化に強い(仕組み型)

国際中医薬膳師 仕事|資格を活かせる働き方

資格取得後の働き方は多岐にわたります。
主な仕事例は
・薬膳料理教室の講師
・薬膳カフェ・サロン運営
・レシピ開発・監修
・SNS・ブログ発信
・講座・セミナー開催

現実には資格だけで、いきなり仕事になるケースは少なく、発信(Instagram・ブログ)、実績作り(レシピ・講座)、独自の強み(美容・更年期など)これらを組み合わせて、自分の薬膳を作ることが大切なポイントです。
薬膳の最上位の資格を目指すなら、学ぶ場所、学習スタイル、将来の方向性、この3つを軸に選んでみてください。

良い先生との出会いが薬膳を好きにする

最後に私が今でも薬膳を続けられている理由ですが、学問は「何を学んだか」だけじゃなくて、「誰に教わったか」が本当に大きいです。同じ内容でも、どんな先生に出会ったかで、理解の深さも、興味の持ち方も、その後の人生まで変わってくる。

知識そのもの以上に、先生の姿勢や言葉、人柄から受ける影響は大きくて、だから学問には「どの先生に教わったか」という大事な縁があるのだと思います。
学問の価値は「誰に学んだか」にも宿ります。

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