茶とは何か |歴史・種類・効能・美味しい淹れ方

薬膳美茶のカテゴリーでは、茶の歴史や性質、薬膳の視点からの選び方を通して、美と健康を育てる一杯の考え方を紐解いていきます。

茶のはじまりと歴史

お茶の原点は中国にあります。
伝説によれば、農業と医薬の神とされる神農が偶然に茶葉を煮出した湯を口にしたところ、身体がすっと軽くなり、不調が和らいだことから「解毒の飲みもの」として茶が用いられるようになったと伝えられています。

現存する最古の薬学書『神農本草経』には、「神農は一日に七十二の毒にあたったが、茶によって解毒した」という一節が残されています。この記述からも、茶が古くから薬として認識されていた存在であったことがうかがえます。
やがて茶は嗜好品としても発展し、唐・宋の時代には喫茶文化が成熟。日本へは平安時代に伝えられ、鎌倉時代には栄西が『喫茶養生記』を著し、茶の養生効果を広く説きました。

こうして日本でも、茶=身体を養う飲みものという考え方が根づいていったのです。

茶の種類と分類 ― 六大茶

お茶はすべてツバキ科の常緑樹。カメリア・シネンシス(Camellia sinensis)の葉から作られます。
緑茶も紅茶も原料は同じ。違いを生むのは、製造過程における発酵(正確には酸化)の度合いです。この発酵の違いによって、茶は以下の「六大茶」に分類されます。

種類 発酵度 性質(薬膳) 銘柄(代表例)
緑茶 不発酵 涼性 龍井茶、碧螺春
白茶 不発酵〜微発酵 涼性 白毫銀針、白牡丹
黄茶 軽発酵 やや涼性 君山銀針、雀山黄芽
烏龍茶 半発酵 平性〜やや温 鉄観音、桂花烏龍茶
黒茶 後発酵 温性 普洱茶、六堡茶
紅茶 全発酵 温性 政和工夫、祁門紅茶

薬膳の視点では、発酵が進むほど、茶は身体を温める性質を持つと考えられています。

茶の効能・薬膳の視点から

茶は単なる嗜好品ではなく、日常に取り入れやすい養生飲料です。
発酵度によって性質は涼性から温性まで幅がありますが、共通する主な働きは次の三つです。
・解毒:身体に溜まった余分なものを外へ出す
・消食:消化を助け滞りを防ぐ
・利尿:巡りを促し軽やかさを保つ
緑茶や白茶は、身体にこもった熱を冷まし、頭や気持ちをすっきりさせる働きがあり、紅茶や黒茶は、冷えを和らげ、内側から穏やかに温めてくれます。
その日の体調や季節、気候に合わせて選ぶこと。それが薬膳美茶の基本姿勢です。

茶の淹れ方 ― 効能をいかすために

茶は、淹れ方ひとつで性質の表れ方が変わります。美味しさだけでなく、身体への作用を意識することも大切です。
•涼性のお茶(緑茶・白茶)
→ 低めの湯温で、短時間
•温性のお茶(紅茶・黒茶)
→ しっかり沸かした湯で、やや長めに

「なんとなく淹れる」のではなく、今の自分の状態に合わせて、湯温と時間を選ぶこと。それだけで一杯のお茶は、喉を潤す飲みものから、美容と身体をいたわる養生の時間へと変わります。

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