5.潤す

西紅柿・蕃茄(トマト)

薬膳効果
美肌、安眠

トマトの潤いを補う効果|美肌・夏バテ・夏の不眠対策に

薬膳では、トマトは甘味と酸味をもつ微寒性の食材。
主な働きは、
・体の潤いを補う(生津)
・渇きを止める(止渇)
・食欲を高める(健胃)
・体の熱を冷ます(解暑)

体に水分を補給して渇きを収め、体内にこもった熱を冷ましてくれます。そのため、体質的に乾燥しやすい人にとても適した食材です。
さらに胃腸の働きを整える作用もあり、食欲を高めて消化吸収を助けます。特に夏は汗とともに体の潤いが失われやすい季節。そんなとき、トマトは体を内側から潤しながら熱を鎮める食材です。

甘酸化陰|トマトが潤いを生む理由

薬膳には「甘酸化陰(かんさんかいん)」という言葉があります。これは、甘味と酸味を合わせると体の陰分(潤い)が生まれるという考え方です。

トマトは甘味と酸味をあわせ持つ食材で、この「甘酸化陰」の性質を持っています。つまり、トマトは、体を潤す、体の熱を冷ます、乾燥を防ぐという働きを自然に備えているのです。

真夏の強い日差しの下では、体は知らないうちに乾いていきます。そんなとき、夏にみずみずしいトマトを食べることで、体の内側から潤いを補ってもっちりとした美肌を育て、秋の乾燥の季節に備える事ができる美容食材でもあります。

体の熱を冷まして夏の不眠を整える

夏は気温が高く、体に熱がこもりやすい季節です。この体の熱のこもりは、夜になっても体が落ち着かず、寝つきが悪くなる原因のひとつになります。

薬膳では、体の熱を穏やかに冷まし、潤いを補う食材を取り入れることで、こうした不調を整えていくと考えます。トマトは体を潤しながら余分な熱を鎮めるため、夏のほてりや寝苦しさを感じるときにも役立つ食材です。暑さで疲れた体を整えながら、夜の休息をやさしく助けてくれる夏の養生にも適した薬膳食材ともいえるでしょう。

中医営養学

期待される効能
甘酸/微寒
性味
肝、脾、胃
帰経
生津止渇、健胃開胃、平肝解暑
効能
口渇、暑気あたり、不眠
適応

東方栄養新書

甘酸/微寒 胃 生津止渇、健胃消食、解暑清熱、涼血平肝

薬膳レシピ「トマト」

トマトの甘酸っぱさは乾いた体に染み込んでいく

夏になると、なぜかトマトが食べたくなる。別に特別な料理をするわけでもない。冷蔵庫で少し冷やして、塩をひとつまみ。それだけで、体の奥に溜まっていた熱がすっと引いていく気がする。

真夏の夜、エアコンをつけてもなんとなく寝つけないときがある。体が火照って、頭の中だけが妙に冴えてしまう夜。そんなとき、昼間に食べたトマトのことを思い出す。
あの甘酸っぱさが、乾いた体にゆっくり染み込んでいく感じ。

薬膳では、トマトは体の熱を冷まし、潤いを補う食材とされている。暑さに揺れる体を静かに整える、夏のための果実だ。喉の渇き、食欲の低下、肌の乾燥。そして、寝苦しい夜。
そんな季節の小さな不調を、トマトは思いのほかやさしく整えてくれる。

トマト薬膳レシピ|夏バテ・安眠

暑さで食欲が落ちているときでも食べやすく、体を潤しながら胃腸を整える薬膳スープです。

薬膳ポイント
トマト:夏バテ改善
卵:心を落ち着ける
生姜:胃腸を温め消化を助ける

ほんの少し生姜を加えるのがポイントです。

トマトと卵のやさしい薬膳スープ

<材料(2人分)>
トマト 1個
卵 1個
生姜 少々
鶏ガラスープ 400ml
塩 少々
ごま油 少々

<作り方>
① トマトはざく切りにする
② 鍋にスープを入れ、トマトと生姜を入れて軽く煮る
③ 溶き卵を回し入れる
④ 塩で味を整え、ごま油を少し垂らす

食べるタイミングは、昼食や夕食におすすめです。体の熱をやさしく冷ましながら潤いを補うので、夏バテで食欲がないときや、寝苦しい夜が続くときにも向いています。
トマトの甘酸っぱさと卵のやさしい味が、暑さで疲れた体をそっと整えてくれます。