5.潤す

豆腐(トウフ)

薬膳効果
臓腑を潤す

豆腐は美容と健康の代表食

豆腐は植物由来の大豆から作られる食品で、東アジアや東南アジアで古くから食されてきました。中国では豆腐を発酵させた腐乳や臭豆腐などもありますが、日本の豆腐は白くやわらかな食感で日本独特の伝統的食です。

豆腐は浄血美容食品

大豆は平性ですが豆腐になると寒涼性になるため、余分な熱をさまし臓腑を潤します。口や体内の渇きを感じた時に豆腐はそのまま手軽に食べられるのでおすすめです。

また大豆から豆腐に加工する過程でタンパク質が吸収されやすい形になるため、大豆の栄養素が消化吸収しやすい食品となり「浄血美容食品」の別名をもちます。

豆腐は母乳不足によい食べ物

豆腐は母乳の出をよくする通乳の働きがあります。『中国薬学書』による母乳不足の改善には、豆腐 20g に対し、黒砂糖 100g を加えて加熱し、黒砂糖が溶けたころに米酒 50g を加えて食べるとよいとされています。

豆腐のしぼり汁

豆腐の絞り汁とは、豆腐を圧縮する時に出る薄く白濁した水分を指し「豆腐泔水」と呼びます。
涼性で清熱寫下、通利二便の働きがあります。

中医営養学

豆乳を凝固剤でかためる
甘/涼
性味
脾、胃、大腸
帰経
清熱生津、潤燥、通乳解毒
効能
津液不足、母乳不足
適応

本草綱目

甘鹹/寒 寛中益気、和脾胃、消脹満、下大腸濁気、清熱散血

豆腐のマメ知識

豆腐の発明

豆腐のルーツは中国にあり2300 年前の漢時代の劉安が発明しました。李時珍が著した『本草綱目』の中に「豆腐の法は漢の淮南王劉安に始まる」とされています。

豆腐から作られるもの

中国名の豆腐は豆乳に凝固剤を加えて固めた食品を指します。凝固剤にニガリを用いて押し固めたのを「木綿」とよび、中国では「北豆腐」「老豆腐」といいます。
また圧縮せずに固めたものを「豆腐脳」、固まる前のおぼろ豆腐を「豆花」といいます。