6.補う

菠薐草(ほうれん草・ホウレンソウ)

薬膳効果
疲労回復、安眠

ほうれん草は不眠・肌荒れを改善する「血」を補う食材

ほうれん草はコーカサス地方を原産とし、イランで栽培が始まりました。そこからシルクロードを通じて東西へ広まり、現在では世界中で食べられている野菜です。種類は大きく分けて2つあります。
東洋種:耐寒性が強く、葉が薄くやわらかい(冬ほうれん草)
西洋種:葉に厚みがあり、えぐみが少ない

ほうれん草の薬膳効果|不眠・肌荒れの原因「血虚」を改善

夜、眠りが浅い。鏡を見ると、なんとなく肌がくすんでいる。それは、体の内側の血の不足かもしれません。薬膳では、眠りと肌はどちらも「血(けつ)」と深く関係しています。
その血をやさしく補い、体の内側から整えてくれるのが、ほうれん草です。

血虚(けっきょ)とは?
血虚とは、体内の「血」が不足している状態のこと。血は単なる血液ではなく、全身に栄養と潤いを届ける重要な存在です。
不足すると、以下のような不調が現れます。
・不眠(寝つきが悪い・途中で目が覚める)
・肌荒れ・乾燥
・めまい・立ちくらみ
・疲れやすい
・不安感

血虚になると精神が落ち着かず「神志が乱れる」ことで不眠になり、肌に潤いと栄養が届かなく肌荒れにもつながります。

不眠・肌荒れにおすすめ|ほうれん草の薬膳的な食べ方

ほうれん草は、そのままでも血を補う食材ですが、組み合わせによって効果をさらに高めることができます。

卵と合わせる(養血+安神)
卵もまた「血」を補い、精神を安定させる食材。ほうれん草と合わせることで、不眠改善により効果的です。

ごま・ナッツと合わせる(潤いアップ)
ごまやナッツは、血を補いながら潤いも補給します。乾燥による肌荒れにおすすめです。

ほうれん草は「血」を補い、精神と美肌を整える薬膳食材です。

中医営養学

アカザ科ホウレンソウ属
分量
甘/涼
性味
胃、大腸
帰経
養血潤燥、清熱止痛、除煩
効能
血虚証、不眠、精神不安、便秘
適応

本草綱目

甘/冷、滑。利五臓、通腸胃熱、通血脈

薬膳レシピ「ほうれん草」

眠れない、肌アレ。それって血虚かも!?

夜中の2時。理由もなく目が覚めることが増えた。スマートフォンを見てしまえば、余計に眠れなくなるのはわかっているのに、指先は勝手に光のほうへ伸びていく。

朝、鏡を見ると、肌は正直だった。乾いていて、どこか薄くて、昨日より少しだけ疲れて見える。ちゃんと食べているし、ちゃんと寝ている“つもり”なのに、どこかが足りていない感じがする。

薬膳では、こういう状態を「血が足りない」と言うらしい。血が足りないと、心は落ち着く場所を失って、夜の途中で目を覚まし、肌は守られるものがなくなって、外の刺激にそのままさらされる。
そんなときに食べるといいのが、ほうれん草。眠れない夜のことを責める代わりに、静かに血を補う食事を選んでみる。

ほうれん草の薬膳レシピ|安眠と美肌

ほうれん草と卵のやさしいとろみスープ(養血+安神)

薬膳ポイント
・血を補う(ほうれん草+卵)
・心を落ち着かせる(安神)
・寝つきをよくする

<材料(1人分)>
ほうれん草:1/2束
卵:1個
鶏ガラスープ:200ml
生姜:少々
塩:少々
ごま油:少々

<作り方>
ほうれん草はさっと下茹でして3cmに切る
鍋にスープと生姜を入れて温める
ほうれん草を加える
溶き卵を回し入れ、ふんわり固める
塩で味を整え、ごま油を少し垂らす

ほうれん草と黒ごまの潤い和え(養血+滋潤)

薬膳ポイント
・血を補う(ほうれん草)
・潤いを与える(白または黒ごま)
・乾燥による肌荒れ改善

<材料(1人分)>
ほうれん草:1/2束
すりごま:大さじ1
醤油:小さじ1
はちみつ:少々

<作り方>
ほうれん草は茹でて水気をしぼり、食べやすく切る
ごま・醤油・はちみつを混ぜる
ほうれん草と和える

眠れない夜も、荒れた肌も、急に変わるものではないけれど、食べたもので体はつくられていくから、静かに整えていくことはできます。