5.潤す

豆腐(トウフ)

薬膳効果
臓腑を潤す

豆腐の薬膳効果|美容・産後ケア・子どもの成長を支える毎日の健康食

冷蔵庫を開けると、たいてい入っている豆腐。味噌汁に入れてもよし、煮物にしてもよし。やわらかく、どんな料理にもなじむ豆腐は、日本の食卓に欠かせない存在です。豆腐は植物由来の大豆から作られる食品で、東アジアや東南アジアで古くから食されてきました。

豆腐は薬膳の世界では体をやさしく整える食べ物で、胃腸をいたわりながら体力を支え、産後の回復や子どもの成長にも役立つ食材と考えられてきました。
毎日の食事で無理なく取り入れられる豆腐。その薬膳の働きと、家族の健康に役立つ理由を見ていきましょう。

豆腐は浄血美容食品

大豆は平性ですが豆腐になると寒涼性になるため、余分な熱をさまし臓腑を潤します。口や体内の渇きを感じた時に豆腐はそのまま手軽に食べられるのでおすすめです。
また大豆から豆腐に加工する過程でタンパク質が吸収されやすい形になるため、大豆の栄養素が消化吸収しやすい食品となり、豆腐は薬膳で浄血美容食品と呼ばれることがあります。
これは、体の巡りを整えながら潤いを補う働きがあるためです。体を内側から整えることで、肌の乾燥、体のほてり、疲れやすさなどをやわらげ、健康と美容の両方を支える食材と考えられています。

産後の回復を助ける豆腐|母乳不足にも

豆腐は母乳の出をよくする通乳の働きがあります。『中国薬学書』による母乳不足の改善には、豆腐 20g に対し、黒砂糖 100g を加えて加熱し、黒砂糖が溶けたころに米酒 50g を加えて食べるとよいとされています。

出産後の体は、出血や体力の消耗によって気血不足になりやすい状態です。そのため産後は、消化がよく栄養価の高い食事が大切になります。また胃腸に負担が少ないため、産後の食事にも取り入れやすい食材です。

子どもの成長を支える豆腐の栄養

豆腐は、子どもの食事にも取り入れやすい食材です。大豆由来の良質なたんぱく質は、筋肉や骨の成長、体力づくり、体の発育に欠かせない栄養素です。
やわらかく消化がよい豆腐は離乳食にも使いやすく、家族みんなで食べられる栄養食といえるでしょう。

豆腐のしぼり汁

豆腐の絞り汁とは、豆腐を圧縮する時に出る薄く白濁した水分を指し「豆腐泔水」と呼びます。
涼性で清熱寫下、通利二便の働きがあります。

中医営養学

豆乳を凝固剤でかためる
甘/涼
性味
脾、胃、大腸
帰経
清熱生津、潤燥、通乳解毒
効能
津液不足、母乳不足
適応

本草綱目

甘鹹/寒 寛中益気、和脾胃、消脹満、下大腸濁気、清熱散血

豆腐の薬膳レシピ

豆腐の薬膳レシピ(産後・子ども向け)

豆腐と卵のやさしいとろみスープ

産後の回復・体力不足に
材料(2人分)
絹ごし豆腐 150g
卵 1個
鶏ガラスープ 400ml
しょうが(すりおろし) 少々
塩 少々
ごま油 少々
青ねぎ 適量

作り方
鍋に鶏ガラスープを入れて温める。
豆腐をスプーンで崩しながら加える。
沸騰直前に溶き卵を回し入れる。
しょうが、塩で味を整え、ごま油を少量加える。
器に盛り、青ねぎを散らす。
薬膳ポイント
豆腐は体を潤し、卵は気血を補う食材。胃腸にやさしく、産後や体調が弱っているときにも食べやすいスープです。子どもにも食べやすい味です。

豆腐と鶏ひき肉のふんわり団子

子どもの成長・体力づくりに
材料(2〜3人分)
木綿豆腐 150g
鶏ひき肉 200g
卵 1/2個
しょうが(すりおろし) 少々
醤油 小さじ1
片栗粉 大さじ1

作り方
豆腐は軽く水切りする。
ボウルにすべての材料を入れてよく混ぜる。
スプーンで丸めて、スープや鍋に入れて煮る。
煮物や味噌汁、鍋料理にも使える。
薬膳ポイント
鶏肉は気を補い体力をつける食材。豆腐を加えることでやわらかくなり、子どもでも食べやすい団子になります。

豆腐の発明・豆知識

豆腐のルーツは中国にあり2300 年前の漢時代の劉安が発明しました。李時珍が著した『本草綱目』の中に「豆腐の法は漢の淮南王劉安に始まる」とされています。

豆腐から作られるもの

中国名の豆腐は豆乳に凝固剤を加えて固めた食品を指します。凝固剤にニガリを用いて押し固めたのを「木綿」とよび、中国では「北豆腐」「老豆腐」といいます。
また圧縮せずに固めたものを「豆腐脳」、固まる前のおぼろ豆腐を「豆花」といいます。