クコは干し葡萄に似た甘さがあり、甘酸っぱく口当たりが良いため中華粥や杏仁豆腐のトッピングなど薬膳の材料としてよく使われます。潤す性質があるため気血不足を感じる人や老人に適しています。肝腎を補養し筋膜、関節、骨を丈夫にし、目の疲れを回復させ視力を改善します。
中国では古くから強精作用のある食べ物として栽培されてきました。日本では平安時代の文徳天皇がクコ園をつくり、その庭園を管理していた人は果実や若葉を愛用し120才まで健やかに生きたと言われます。
北米では「ゴジベリー」「ウルフベリー」の名でドライフルーツのように食べられています。
植物全体が薬になるクコの実(ゴジベリー)
クコは果実だけでなく植物全体が宝物と言われています。
春の新芽は「天精草(テンセイソウ)」といい、めまい、高血圧、糖尿病に。夏の茎は「長生藤(チョウセイトウ)」といい、冷え、リウマチに。秋の実は「枸杞子(クコシ)」といい、精力をつけ目を補養し、冬の根は「地骨皮(ジコッピ)」といい、セキ、寝汗、体力低下に使います。
名前の由来『本草綱目』
枸杞は枸橘(カラタチ)のようなトゲがあり、杞(コリヤナギ)のように枝がしなやかなため。地骨皮はクコの根は骨のような形をしているため名付けられました。