お香を焚くとどんな効果がある?
芳しい香りの植物たちは、お香、アロマテラピー、香辛料、ハーブとして暮らしにとけこみ、好きな香りが身近にあると心身がリラックスして心地よくなります。
漢方と香道の発展に大きな影響を与えた鑑真和上が創建した唐招提寺。こちらで販売しているオリジナルのお香4種を医香同源の視点でお香の効果を考えてみました。
「鑑真香」漢方香薬を中心に調香
鑑真和上が伝えた、麝香、沈香、甲貝、甘松香、竜脳、安息香、零陵香などは、今も代表的なお香の原料となっています。もちろん漢方の生薬としても使われています。
鑑真香は、これらの漢方で使われる生薬を中心につくられており、とても落ち着きのある複雑な香りがします。鑑真和上が唐から伝えた調合。歴史に裏打ちされた、唐招提寺ならではの香りです。
沈香と白檀の効果の違い
お香にかかせない沈香も白檀も気を巡らす理気薬に分類されます。
沈香は木材中に黒色樹脂が沈着したもので質重です。その性質は呼吸を深くするために、腎の部分まで気を降ろして呼吸を助けます。焚くと幽玄で気品ある香りが広がり、一日中その香りが残りやすいです。
白檀は木質の芯材で、その性質は辛散温通し、胸や脇の部分を温めて気を巡らすため緊張や凝りを緩めます。焚くと鎮静的で穏やかな香りがあり、他の香りと上手に混じりあう柔軟な性質があります。
「唐招提寺蓮」紅蓮の種子を練り込んだお香
唐招提寺蓮は唐招提寺に咲く八重咲の紅蓮の種子を練り込んだお香。白檀、桂皮、安息香、甘松香の生薬を調香され辛味と甘味がある味わい深い香りです。
辛味の働き
白檀、桂皮は生薬は辛味で、安息香、甘松香は辛味と甘味の性質をもちます。この辛味はの多くはピリッとした辛さがあり、行(巡らせる)散(散らす)働きがあります。
白檀は気を巡らし、桂皮は冷えを除き、安息香は血を巡らし、甘松香は胸苦しさを除きます。
「唐招提寺青蓮」青蓮の種子を練り込んだお香
唐招提寺蓮は唐招提寺に咲く一重咲きの青蓮(緑がかった白)の種子を練り込んだお香。
配合は残念ながら記載されていませんでしたが、フローラル調で透明感とほのかな甘さのある上品な香りと書いてあるので、蓮の花の香りをイメージしたお香と思います。
唐招提寺の蓮
鑑真和上の目録には「青蓮花二十茎(しょうれんげにじゅけい)」と書かれているので、鑑真が中国から携えてきた蓮が今も唐招提寺で根付き大切に育まれているそうです。
他にも唐招提寺でしか見られない蓮があり、古代蓮、唐招提寺の名を冠した蓮も見ることができます。
「天平香」鑑真の故郷に咲く瓊花のお香
瓊花(けいか)は鑑真和上の故郷、中国揚州の名花。春になると唐招提寺に美しい花を咲かせます。瓊花の香りに紀州備長炭木酢液を加えられ、焚くと澄んだ花の香りとともに空間が清浄されていきます。
爽やかさ、清らかさ、優しい甘さ、とても、とても良い香りで、もっと購入してくればよかったと後悔…。でも瓊花の咲く春に、再び唐招提寺へ行きたいと思います。
植物の部位による効果の違い
植物の部位により働きをわけることができます。
例えば幹、皮、根などは、効き目はゆっくりですが拡散範囲が広く芳香時間も長めです。花、葉、果実の香りは即効性はありますが拡散範囲は狭く芳香時間も短めです。
唐招提寺のお香の紹介は動画でもご紹介しています。