6.補う

甘酒(アマザケ)

薬膳効能
疲労回復、気力補充

甘酒の疲労回復と産後ケア

米麴を発酵させた甘酒は100種類以上の酵素をふくんでいる伝統的な発酵飲料です。疲れを感じているときや、体調を整えたい時は「飲む美容液」「飲む点滴」の別名をもつ甘酒で、体にやさしく栄養をつけるのがおすすめです。
甘酒は「補気」「養血」に優れており、「活血」の働きも兼ね備えているため、甘酒は産後の回復や母乳づくりにもおすすめです。

栄養豊富な滋養強壮の飲み物として

甘酒は米麹、米飯、水を混合し50℃~60℃で12時間~24時間かけて糖化させたアルコール1%未満に分類される飲料です。「益気」の働きがある米麹、米飯が消化吸収しやすい形になっているため、脾胃の機能を高めて「気」をすばやく補い滋養強壮に働きます。

また、血を巡らせる「活血」の働きも兼ね備えているため、栄養を各組織にすみやかに届けるため皮膚粘膜の保護、美肌などの美容効果も期待できます。

甘味の働きでリラックス

疲労回復や栄養補給に役立つ甘酒には優しい甘味があります。薬膳の五味「甘味」の働きには緊張した状態を和らげる弛緩作用があります。甘酒の自然で優しい甘味は、体をリラックスさせストレス軽減や、緊張しすぎて眠れない時にも役立ちます。
産後の興奮状態の時にも甘酒を飲んだり、お料理などにとりいれると良いでしょう。

中医営養学

米麹と米を糖化したもの
甘辛/温
性味
脾、胃、肺
帰経
補気調中、養血、活血、温経
効能
疲労、冷え、消化不良
適応

産後ケアの薬膳レシピ

授乳中に甘酒を飲んでも大丈夫?

甘酒には米麹から作られているものと、酒粕から作られているものの二種類があります。
酒粕甘酒にはアルコールが含まれいるため、アルコールを含まない米麹甘酒であれば授乳中に飲んでも安心です。

産後の回復や母乳に良い理由

産後は悪露で多くの血を失い、さらに血から母乳をつくり赤ちゃんに飲ませます。そのため産後はできるだけ早く体力を回復させ、血を増やすことが必要になります。
滋養強壮に働く甘酒は「補気」「養血」に優れており、「活血」の働きも兼ね備えているため、甘酒は産後の回復や母乳にはおすすめです。

産後ケアの薬膳レシピ

産後の回復にはバランスの取れた食事と十分な休養が重要です。甘酒を取り入れる場合は、他の食品と組み合わせて栄養バランスを考えると良いでしょう。

甘酒と玉蜀黍のコーンスープ

疲労蓄積、尿量減少、眠れないときに食すとよい玉蜀黍のスープ。

たっぷり人参の甘酒入りミネストローネ

健脾と養血の相乗効果を発揮する人参をたっぷり使ってください。

酒醸と甘酒

酒醸(チューニャン)と甘酒・効能の違い

中国名の酒醸(チューニャン)は米飯に酒麹を加えて発酵させた飲料・調味料をさします。酒醸は日本の甘酒に近いものですが、甘酒は米麹を使用します。

効能の違いは、酒醸は酒麹をしようするため、糖化と同時にアルコール発酵もすすむため「活血」に働く性質が高く、一方アルコール成分を含まない甘酒は「補気」「養血」に優れてます。