葛根、葛粉の効能と使い方
多年生半木本性マメ科植物のクズは、万葉集にも読まれ、絵、家紋として古くから日本人に身近な野草として親しまれ、日常生活にも利用されてきました。
葛根(かっこん)とは、葛の根の事で「葛根湯(かっこんとう)」の主成分で薬用として用いられます。その葛の根から奈良県吉野町の商人が、でんぷん質をとり、それを里で売ったことから「くず粉」と呼ばれた由縁があります。
現代では、薬用よりも調理用、製菓用として用いられることが多く、特に奈良県吉野町産の葛粉は吉野葛と呼ばれています。
葛根湯の主成分「葛根の効能」
カゼのひき始めに効力を発揮する、漢方薬の葛根湯は、体を温め発汗を促すことでカゼを治療します。
その主成分である「葛根」は、解熱に働くとともに、甘潤の性質で筋脈を潤しながら項背部の(首の後ろ)こわばりをやわらげます。また体の免疫を高め、発疹などの病気がこじられるのを防ぐ作用もあります。
くず粉の薬膳レシピ「葛粉の効能」
葛粉(くず粉)は葛根からでんぷん粉を精製したものなので薬としての葛根の作用ほどは期待はできませんが伝書として実例レシピは残されています。
〇胸部の煩熱、心煩、喉の渇きの改善『聖恵方』
<葛粉粥>葛粉、粟米(もちあわ)半々で粥をつくる
〇小児の発熱、嘔吐、消化不良の改善『食医心鏡』
<葛湯>葛粉2に水を加えて混ぜ合わせ、とろみがつくまで加熱する。