薬膳効果
冷え、ストレス緩和

柚子皮と果汁の薬膳的メリット「巡り改善に役立つ理由」

柚子は爽やかな芳香を放つ果実です。薬膳では、柚子の皮は温性で風味ある香りのサポートで気の巡りをよくし、果実(しぼり汁)は涼性で消化を促します。

柚子は「気を巡らせる」温性の果実

柚子の皮は「温性」かつ「辛味」 の性質をもち「肺・脾・肝」に働きかける食材として分類されます。これらの特徴は、体のエネルギーである “気” を流しやすくする(理気) 作用につながります。
気が滞ると、
・胸のつかえ
・気分の落ち込み
・消化不良
・冷えや重だるさ
といった不調が起こりやすくなります。その“滞り”を解消し、体の流れを軽やかにしてくれるのが柚子皮の働きです。

果汁の酸味は胃を目覚めさせ、消化を助ける

柚子の実汁は「涼性」かつ「甘酸」の性質をもち「肺、胃」に働きかけ、胃の不快感を解消させ胃腸をスッキリさせる働きがあります。
酸味の正体はクエン酸で、その働きは、胃腸の働きを高めて消化を促進させ、気の巡りにも直結します。

そのため、食欲がない時や胃が重い時に、柚子の果汁を少し加えると、体の内側から巡りが整っていく感覚を得られます。

冷えによる滞りを温めてほぐす薬膳効果

「気の滞り」は、寒さ厳しい冬の冷えによって起こりやすくなります。柚子皮は温性のため、体をやさしく温め、冷えによる停滞を取り除きます。こうした働きが、巡りの改善につながります。
冬至の「柚子湯」も、薬膳的にみれば理にかなった習慣です。

日常でできる柚子の取り入れ方

巡りをよくするためには、次の使い方がおすすめです。

・皮を刻んで料理の仕上げに(味噌汁、鍋、魚料理)
・柚子胡椒や柚子味噌にして常備
・果汁をドレッシングやポン酢に
・柚子茶にして香りを取り入れる
・柚子の皮を乾燥させて入浴剤に

特に“香りが立つ使い方”をすると、薬膳的な巡り効果が向上します。

柚子(皮)

ミカン科ユズ属
苦辛/温
性味
肺、脾、肝
帰経
化痰消食、理気、解魚毒
効能
気滞証、痰、ため息
適応

柚子(実)

ミカン科ユズ属
甘酸/涼
性味
肺、胃
帰経
消食理気、化痰、解毒
効能
吐き気、魚毒、酒酔い
適応

薬膳レシピ「柚子」

柚子の香りが巡りをほどく

柚子の旬は、年末が近づく頃。慌ただしい日々に押し流されて、自分の呼吸のリズムさえ忘れかけている時期に、黄色い小さな果実が、まるで“そろそろ立ち止まっていいよ”と言うように店先に並ぶ。
その控えめだけど確かな存在感が、昔から好きだった。

薬膳では、柚子は“気を巡らせる”食材。確かに、香りが身体のどこか滞っていた場所をスッと押し広げて、頭の上に溜まっていた曇りを追い払ってくれる感じがする。
寒さで縮こまった気持ちが、ほんの少し温かく伸びをするような、そんな感覚。

そして果汁の鋭い酸味は、気持ちが曖昧に濁った日をリセットするみたいに、舌をきゅっと引き締めて、もう一度今日を始めてもいい、と思わせてくれる。
巡りが停滞しがちな季節だからこそ、身体はその刺激を欲しがるのかもしれない。

柚子皮と大根のほっこりスープ(巡りを温める薬膳スープ)

<材料(2人分)>
大根……5〜6cm(短冊切り)
生姜……薄切り2〜3枚
柚子の皮……少々(千切り)
柚子果汁……小さじ1〜2
だし……400ml
塩……ひとつまみ
薄口しょうゆ……少々
白ごま……少々

<作り方>
・鍋に大根と生姜、だしを入れてやわらかくなるまで煮る。
・塩と薄口しょうゆで味を整える。
・火を止めてから柚子果汁を加え、香りを飛ばさないよう軽く混ぜる。
・器に盛って、仕上げに柚子皮の千切りと白ごまをのせる。

薬膳的メリット
柚子皮は体を温め気を巡らせる
大根は気を下げて巡らせる
生姜は体を温め、寒さをほぐす

柚子の香りが全体を軽くして、伸びをしたくなる気分にしてくれるスープです。

柚子と黒胡椒の即席ドレッシング(身体を刺激する香りのソース)

<材料>
・柚子果汁…大さじ1
・柚子皮……少々(すりおろし)
・オリーブオイル……大さじ1
・醤油……小さじ1
・黒胡椒……ひとつまみ
・蜂蜜……小さじ1/2

<作り方>
すべてをよく混ぜるだけ。サラダ、蒸し鶏、焼き魚に。

薬膳的メリット
柚子の酸味が胃を目覚めさせて巡りアップ。
黒胡椒は“温めて巡らせる”作用が強く、柚子の理気効果と相性抜群。

気持ちが澱んだ日でも、香り立つ酸味で、もう一度今日を始めてもいいと思わせてくれる味です。