7.除く

若布(ワカメ)

薬膳効能
腫れ物を除く

ワカメの清涼な力はデトックスに役に立つ

日本はワカメの主要な産地であり各地の海域で育ちます。北海道、東京湾、瀬戸内海などが主要な生産地域です。一般的に日本のワカメの旬は冬から春にかけてで、冷たい海水がワカメの育成に適している一方で、養殖されたワカメは通年で入手可能です。

春が旬のワカメはカラダの余分な水や痰(痰湿)などをのぞく効果が高い食材です。

春は新しいエネルギーを導く季節

春は新しい命が芽吹く季節であり新たなエネルギーを取り入れる特別な時期です。新しいエネルギーを迎え入れるためには、冬の間に蓄積した古いエネルギーをデトックスすることが不可欠です。
ワカメは、このデトックスのプロセスを助け身体を一新する効果があると言われています。

ワカメの薬膳効果はデトックス

ワカメは寒性で体の熱を冷ます「清熱」の効果があります。また余分な水と痰を排出する「利水」および「化痰」の働きが備わっています。これらの優れた特性により腫れ物の緩和や便秘の改善、気血の滞りの解消に寄与してくれます。

ただし冷え性の方がワカメを摂取すると逆に冷えを引き起こしてしまうことがあります。
ワカメを摂る際には、ネギ、酢、生姜などの温める性質を持つ食材と一緒に調理すると良いでしょう。このような工夫により、ワカメが持つ素晴らしい効果を最大限に引き出し、体調を整えることができます。

鹹味(カンミ)の働き

鹹味とは塩辛い、しょっぱい味のことを示し、海藻類の多く、例えば昆布、ひじき、わかめ、のりは鹹味の働きを持っています。
鹹味の働きは、下、軟。固まりを柔らかく(軟堅)し、排泄を促す(寫下)作用があります。

中医営養学

アイヌワカメ科ワカメ属
鹹/寒
性味
脾、腎
帰経
清熱化痰、軟堅散結、調経利水
効能
しこり、むくみ、便秘
適応

本草綱目

鹹/寒 主治:十二種の水腫、聚結気、利水道、面腫

食エッセイ「わかめ」

神聖なる自然への謙虚な心情

韓国の美しい習慣の中に産後のワカメスープが静かに息づいています。これは新しい命への深い敬意と感謝の心が宿る伝統の一端。
新しい生命が誕生する奇跡に対する感謝と尊敬は、温かなワカメスープとなって母親の前に供されます。恵みを手に入れた生命の美しさの象徴。

そして日本の文化においてもワカメは神聖な儀式に密接に結びついています。海から生まれるワカメは、清らかで崇高な存在として尊ばれ、神聖な儀式の中でその存在が奏でられます。日本の風土に溶け込むワカメは、心身を清める奇跡の力を秘めているかのようです。

韓国の産後ケア「ワカメスープ」

韓国では産後だけでなく誕生日にも食べる習慣があるそうです。これは産んでくれたお母さんに感謝の気持ちを込める意味があるそうです。
身体を温めるショウガを加えることで寒熱の調和が良い一品。

<材料>
ワカメ: 1/2カップ(乾燥ワカメでもよい)
牛肉(薄切りまたは細切れ)
ゴマ油: 小さじ1
しょうが(みじん切り): 小さじ1
醤油: 大さじ1
ごま油: 小さじ1
ごま: お好みで

韓国風ワカメスープ作り方

1

ワカメは適度な大きさに切り、牛肉は細切れ、しょうがはみじん切りにします。

2

中火にした鍋にゴマ油を熱し、しょうがと牛肉を炒めます。牛肉が色づいたら、醤油を加えて炒め続けます。

3

次にワカメを加え炒めます。次に水を加え、沸騰したら中火にして10~15分煮込みます。

4

ゴマ油を加え、塩で味を調整し火を止めます。お好みで胡麻を加えても美味しいです。