いろいろ考えすぎて眠れない時は「脾胃をととのえる」

考え過ぎは消化活動に影響をおよぼす

薬膳の安神法は心身不安を解消します。
心身不安による症状は、動悸(ドキドキ)、不眠(眠れない)、健忘(忘れっぽい)、煩躁(落ち着かない)などがあります。
今回は思慮過度、精神疲労などで、寝付けない、眠れないが続く時に自分で出来る「養血の安神法」を解説します。

考え過ぎる、思い過ぎると身体におこること

外からの刺激でストレスが発生したとき、思い込んだり悩んだりしてしまう事があります。
日常的に考えたり、何かを思うことは正常な範囲であれば何の問題もありませんが「考えすぎ」「思いすぎ」など過度な思考、思慮が続くと「脾」の働きに影響すると薬膳では考えます。

その反対に脾の機能がうまく働かない、弱いときに「考えやすくなってしまう」など、脾の虚弱が人の思考、思慮に影響をあたえることもあります。

脾の働きとは

では「脾」はどのような働きをするのでしょうか?
脾は運化(うんか)を受け持ちます。運化とは運搬・消化・吸収のことを指します。脾は飲食物を消化吸収し得られたエネルギーや栄養を体全体に運ぶ役目、すなわち運化を担います。
もし脾が弱まれば、運化も低下しはじめて下記のような症状が肉体にあらわれます。

脾が弱り消化吸収が弱まる
・食欲不振
・大便がゆるい(下痢)
・疲れやすい

脾が弱り運搬が弱まる
・むくみ
・体が重だるい

脾胃の弱りは気血不足をまねく

脾が弱まると消化吸収も弱まるため、気や血の栄養不足につながります。

気の不足
・疲れやすい
・大便がゆるい(下痢)
・食欲不振
・呼吸が弱い

血の不足
・めまい
・顔色がわるい
・爪が割れやすい
・眠れない
・忘れっぽい




気血が不足すると心(肉体)が栄養を得られず神(精神)も不安定になり、そして寝つきが悪い、眠れないなどの症状もあらわれます。

養血の安神法でメンタルをととのえる

いろいろ考え過ぎて眠れない時は、まずは脾の機能をととのえる事を試してみましょう。

健脾・健胃の食材

安眠できないに加えて、ふらつき、倦怠感がある時は健脾・健胃の食材を中心に献立を考えてください。「健脾」「健胃」とは脾胃を中心とした五臓の働きや機能を調えます。

脾の虚弱が人の思考、思慮に影響を与えて、過度な思考へ傾きやすいので消化機能が弱い人は日ごろから気にかけてとるとよいでしょう。
おすすめは、キャベツ、カリフラワー。

消食の食材

安眠できないに加えて、お腹がはる、消化不良、ゲップがある時は飲食の積滞を除く「消食」の食材を加えてください。
おすすめは、大根、かぶ。

養血の食材

気血不足があれば、補うことが必要です。養血の安神法の要となる「養血」の食材をとり、心神を安定させましょう。
野菜では健脾と養血の相乗効果を期待できる人参、魚類ではカツオ、イワシがおすすめです。

気血が充足すれば心神の安定へと繋がります。

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