心がざわつき興奮や焦燥感が拭えない時は「陰を満たす」

ざわつく心の「火」を消すには「水」が必要

薬膳の安神法は心身不安を解消します。
心身不安による症状は、動悸(ドキドキ)、不眠(眠れない)、健忘(忘れっぽい)、煩躁(落ち着かない)などがあります。
今回は心がざわついて、落ち着かない、寝付けない時に自分で出来る「滋陰の安神法」を解説します。

心の火が消えないと身体におこること

日ごろから気持ちをおおらかにし心神を養うように生活していれば、気分のすぐれない日があったとしても、時の経過とともに戻ります。けれど気分の悪いことが長引いたり、激しい感情が突然おきると臓腑が傷つき胸の中に火が起こります。
火は炎上の性質があることから心神がかき乱され興奮、動悸、不眠となり、焦燥感が拭えない状態になります。

なぜ心の火が消えないのでしょうか

体の中に潤いがあれば火は消えますが、潤いが不足していると火はなかなか消えません。薬膳では潤いが足りないことを陰の不足として捉えます。
陰の役目は滋養、安静、沈静に働き火を制御してその亢進を抑えます。しかし陰が不足すると安静、沈静の機能が弱くなるため火は消えにくくなってしまいます。

また火は陰をどんどん消耗させるため、火を制御することができなくなり心がざわつき続けます。このような状態が続くと、ほてり、熱っぽい、寝汗をかく、眠れないなどの症状をともないやすくなります。

滋陰の安神法でメンタルケア

心がざわついて焦燥感の拭えない時は、まずは清熱の食材で火を消すこと、そして滋陰の食材で不足した陰を補うことを試みます。

熱を冷ます清熱の食材

ほてり、熱っぽいなどの症状がある場合や、心神がかき乱され興奮していると感じた時は、まずは清熱の食材で熱を冷まし清めましょう。

陰を補う滋陰の食材

滋陰の食材は、血や津液などの陰液を滋養して身体を潤すとともに虚熱(体内の熱のこもり)などを取り除きます。また陰液不足による乾燥症状も改善します。

陰の不足の原因のひとつに、神経の使いすぎなどもあげられます。この場合は滋陰の食材を気にかけてとるとよいでしょう。

陰は滋養、安静、沈降の性質をもち、陽は温める、動かす、昇発などの性質があります。
肉体の陰陽のバランスがとれていれば、精神が宿る「心」も安定します。

熱を冷ます清熱の食材・陰を補う滋陰の食材は下記をご参照ください。



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