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薩摩芋(サツマイモ)

薬膳効能
体力強化、便秘解消

さつまいもは便秘解消に効果的?潤腸通便の働きと、逆に便秘が悪化する理由

さつまいもは胃腸を丈夫にして元気をつけます。煮る、蒸す、柔らかくして常食すると便秘にも効果があります。

さつまいもの薬膳効能「潤腸通便」

さつまいもは薬膳で 「潤いを与えながら腸を動かす=潤腸通便」 の働きを持つ食材です。
特に秋から冬にかけては空気や肌だけでなく、腸も乾燥しやすくなります。便が硬く、コロコロして出にくい “乾燥タイプの便秘” には、さつまいもの自然な甘みと水分がとても役立ちます。

体力不足の便秘には、さつまいもの“補気・健胃作用”が効く

さつまいもは、潤腸通便の効能に加え「健胃(胃の働きを整える)」「補気(エネルギーを補う)」という働きがあります。
便秘は「便が硬い」「腸が乾燥している」だけではなく、体力不足や痩せ体質によるエネルギー不足が原因になることもあるため、さつまいもは体力のない人、痩せている人、胃腸の弱い人にむいています。

<体力不足の人に便秘が多い理由>
体が細い人、食が細い人や高齢者は、胃腸の力(=気)が弱りやすく、腸を動かすエネルギーが不足しがちになります。その結果、
・腸のぜん動運動が弱い
・食べたものを押し出す力が不足
・食事量も少なく便自体が作られにくい
という「力不足タイプの便秘」が起こりやすくなります。

さつまいもの効能「健胃」「補気」により、体力がない体質の人でも、腸を動かす力がつきやすくなり、結果として便秘改善につながります。
また、さつまいもに含まれるビタミンCはデンプンに包まれた形をしているため加熱しても失われにくい特徴をもち、便秘解消とビタミンCも豊富なため美容食にもなります。

さつまいもを食べて、便秘が悪化する人

さつまいもの食物繊維は腸内でもほとんど分解されず、腸壁を刺激するため便秘解消にはとても有効です。切ると白い汁が出てくるヤラピンは腸の動きを活発にし食物繊維との相乗効果が便秘を解消させます。

しかし、気の滞りによる腹部膨満感がある人が食べるとガスが増えお腹がはってしまう事があるので、太りやすい人、肥満の人は注意が必要食材です。
「便秘にいいと思って食べていたのに、むしろお腹が張る」「さつまいもを食べるとガスが溜まって苦しい」という声も少なくありません。

その原因はタイプの違いにあります。
●ガスが溜まりやすい “気滞タイプ”
●ストレスや緊張で気の巡りが悪くなっている
腸の動きが滞っている状態で食物繊維を大量に入れると、ガスが溜まり、張って、逆に便秘が悪化することがあります。

つまり、腸の状態と食べ方が合っていないために起こる現象で、体調や体質を見極めれば、さつまいもの薬膳効果はより引き出せます。

中医営養学

ヒルガオ科サツマイモ属
甘/平
性味
脾、腎
帰経
健脾胃、補気、潤腸通便
効能
脾気虚証、無気力、便秘
適応

東方栄養新書

甘/平 脾胃腎 健脾益気、和胃生津、寛腸通便
美肌、血清コレステロールの低下、抗癌

薬膳レシピ「さつまいも」

さつまいもの色を明るくするということ

冬の台所は、どこか物静かだ。しんとした空気の中でふつふつと煮えているさつまいもが、まるでこちら側の落ちていく体力や気力を知っているみたいに、じんわりと部屋の中心を暖めてくれる。

今日は、クチナシの実をひとつ。クチナシを入れると、さつまいもは驚くほど鮮やかになる。食材に色を挿すという行為は、生活に明かりをともし直すみたいで、少し胸がほどける。

薬膳的には、さつまいもは補気だとか、健胃だとか、乾いた腸にそっと潤いを足してくれる食材らしい。なんだか自分のために存在しているような気さえして、一人で笑ってしまう。
そしてクチナシの実、山梔子。あの鮮やかな黄色の裏には、身体の熱やつかえ、行き場のない感情を静かに鎮めていく力があるのだと、最近になって知った。

さつまいもの素朴な甘みに、クチナシの「熱を鎮める」力が入るのはどこか人間関係みたいだ。足りないところを補い、過剰になったところを静かに均していく。 そんなふうにバランスが取れたとき、人はふっと深呼吸できるようになる。

今日の私は、少し元気を足して、少し熱を引く。結局そのくらいが、ちょうどいいのだと思う。

さつまいもとクチナシの実

クチナシの実と一緒に茹でるとさつまいもの皮の赤と芋の黄色を美しく煮ることができます。
・切り出したあとアクを水で洗いだす
・くちなしの実を砕いてガーゼに包み芋と一緒に茹でる
・煮るときに少量の酢を加えると色がつきやすくなる

クチナシの実は生薬としても使われ「山梔子(さんしし)」とよびます。
薬としての役割は鎮静、消炎、解熱、止血、精神不安など、熱によって引き起こされる症状に使われる。

食べ方・薬膳アレンジ

●朝に1〜2切れ
補気・健胃作用で胃腸が動きやすく、便通サポートに効果的。

●黒ごまを振って「腸の潤い」強化
黒ごまは補腎・潤腸作用があり、乾燥便秘対策に。

●冷えが強い人は生姜少々
生姜を隠し味に使うと、クチナシの“冷ます力”とバランスがとれ、冷え体質でも食べやすい甘煮に。