4.通す

白豆蔲/小豆蔲(カルダモン・ビャクズク・ショウズク)

薬膳効果
上腹部を温め気を巡らす

スパイスの女王カルダモンの効能

上品で爽やかな香りがするカルダモン。ユーカリ油、樟脳、レモンの香りが入り混じる香りを放つことから「スパイスの女王」と呼ばれています。

ビャクズクとカルダモン

中国名の「白豆蔲(ビャクズク)」はショウガ科のアモムムでカルダモンと似た芳香をもちます。カルダモンは白豆蔲の代用品とされ、その効能はほぼ同じと考えられています。

呼吸器の不調を改善

カルダモンは上腹部を温めるスパイスとして知られています。胸部よくを温めて気を巡らすため、痰の排出、胸の悶痛、咳止など、呼吸器の不調にも有効です。

消化器系の不調を改善

カルダモンのスッキリとした清涼感ある香りは唾液の分泌を促進します。また停留した気を動かして脾胃にたまる湿邪を散らし、胃もたれ、膨満感(お腹の張り)を安らげて消化を促します。

中医営養学

ショウガ科ショウズク属
辛/温
性味
肺、脾、胃
帰経
行気温中、温中止咳、温胃止嘔
効能
消化不良、食欲不振、口臭、吐き気
適応

本草綱目

白豆蔲:仁:辛/大熱 積冷気、吐逆、反胃を止め、穀物を消化して気を下す。
肺中の滞気を散じ、隔を寛にし、食欲をすすめる。肺気を補い、脾胃を益し、元気を理し、脱気を収める。

生薬としての働き

生薬名は殻付きの仁を白豆蔲(ビャクズク)、殻を除いた仁を白蔲仁(ビャククニン)と呼び上半身の気の滞りを促します。芳香性健胃薬としても使われ、胸苦しさ、腹部膨満感、腹痛、嘔吐、しゃっくり、消化不良、食欲不振、胸のつかえ、二日酔い などの症状に適します。

カルダモン

梅雨時
湿気にあてられ、胸苦しさ、食欲がない時は薏苡仁(ヨクイニン・ハトムギ)、杏仁(キョウニン)とあわせるとよい。

食積
消化不良による食欲不振の時は陳皮(チンピ)とあわせるとよい。

注意:辛燥で気を消耗させる性質があるので、熱証、気の不足による虚弱者は用いない。