4.通す

西柚(グレープフルーツ)

薬膳効能
気巡りと消化促進

グレープフルーツの薬膳効果|気を巡らせて胃を整える

ほろ苦く爽やかな香りをもつグレープフルーツは、滞った気を動かし、ストレスでこわばった胃をゆるめてくれる果実です。
緊張する場面が多い、仕事のプレッシャー、人間関係の悩み、そんなときは「胃」は静かに乱れます。薬膳では、この状態を「胃気の不和」と捉えます。

ストレスで乱れる胃を整える「理気和胃」とは

グレープフルーツは、薬膳では「理気和胃」を代表する食材のひとつです。ここでいう「和胃(わい)」とは、乱れた胃の働きを整え、本来のリズムへと戻すことを指します。

たとえば、胃が張って苦しい、食欲がわかない、げっぷ(噯気)が出る。こうした不調は、ストレスや緊張によって「気」の巡りが滞り、胃の働きがスムーズでなくなっているサインです。そこで大切になるのが「理気(りき)」、つまり気の流れを整えること。

グレープフルーツの爽やかな香りと、ほのかな苦味は、滞った気をやさしく動かし、緊張でこわばった腹部あたりを、ふっとゆるめてくれます。

胃の熱を冷ます果実|食べすぎ・飲みすぎにも

グレープフルーツは「寒性(体を冷やす性質)」を持つ果物です。そのため、
・食べすぎによる胃もたれ
・飲みすぎによる胃の熱感
・胸やけや不快感
といった「胃熱(いねつ)」の状態に向いています。

ストレスが続くと、気の巡りが悪くなるだけでなく、熱がこもるような不調に変わることもあります。そんなとき、グレープフルーツの清涼感は、内側にこもった熱をやさしく逃がしてくれます。
ただし、冷えやすい方や空腹時の食べすぎには注意が必要です。体調に合わせて、少量をゆっくり味わうのが薬膳的な取り入れ方です。

ストレスが多い人への取り入れ方|香りから整える

グレープフルーツの魅力は、「食べる」だけではありません。皮をむいた瞬間に広がる香り。その一呼吸が、すでに理気のはじまりです。

おすすめの取り入れ方は
・食後のデザート
・緊張する前に香りを感じる
特に「これから緊張する」というタイミングで、香りを吸い込むように味わうと、気の巡りが整いやすくなります。

果肉

ミカン科カンキツ属
甘酸苦/寒
性味
心、肝、腎
帰経
理気和胃、解酒毒、化痰
効能
消化不良、二日酔い
適応

果皮

ミカン科カンキツ属
甘辛/平
性味
下気消食、化痰
効能

東方栄養新書

甘酸/寒
果肉:行気和胃、解毒
皮:化痰、下気消食

グレープフルーツ薬膳レシピ

張りつめた時にはグレープフルーツを

なぜか体の真ん中だけが緊張を続けている時がある。たぶん、どこかで気を張りすぎていたのだと思う。
そういう日は、空腹でも満腹でもない、曖昧な胃の重たさが残る。何か食べたいわけでもないのに、何も入れないのも落ち着かない。

冷蔵庫を開けて、グレープフルーツをひとつ取り出す。皮をむくときの、あの少しだけ飛び散る香りが好き。
ひと房を口に入れると、身体がゆっくりほどけていく。無理に元気になろうとしなくても、ただ流れていけばいいのだと、そんなふうに思わせてくれる味がする。

整える、というのは、何かを足すことじゃなくて、滞っていたものを、少し動かしてあげることなのかもしれない。

グレープフルーツと新玉ねぎの理気和胃マリネ

玉ねぎは、気の巡りを促し、滞りをほどく「理気」の代表的な食材。そこにグレープフルーツを合わせることで、“巡らせながら、胃を整える”働きがより明確になります。さらに蜂蜜が加わることで、甘味のもつ緩める力で、緊張でこわばった胃を潤し、やさしく落ち着かせます。

<材料(1〜2人分)>
グレープフルーツ … 1/2個
新玉ねぎ … 1/4個
蜂蜜 … 小さじ1
塩 … ひとつまみ
オリーブオイル … 小さじ1(お好みで)

<作り方>
・グレープフルーツは皮と薄皮をむき、果肉だけを取り出す
・新玉ねぎは薄くスライスし、5分ほど水にさらして辛味を軽く抜く
・水気をしっかり切った玉ねぎとグレープフルーツを合わせる
・蜂蜜・塩・(お好みでオリーブオイル)を加えてやさしく和える
・冷蔵庫で10〜15分ほどなじませる