セロリは肝の熱をさまし情緒安定に導く
セロリは、地中海沿岸で古くから薬用、香料、調味料として重宝されてきました。独特の香りは、食欲を刺激し、料理のアクセントとして活躍するだけでなく、ストレス緩和にも効果があるといわれています。
薬膳では、セロリは「肝」の働きを助け、イライラや不安を鎮める食材。セロリは、香味野菜としてはもちろんですが、心と体を整える野菜でもあります。
セロリの効能「香りでストレス症状を緩和する」
セロリをはじめとした香味野菜たちは「気の流れ」を整えることが得意です。ストレスが続くと気の流れが滞り体内に熱が生じます。熱は上に昇りやすい性質があるので、頭目にのぼるとめまい、頭痛、イライラがあらわれます。
この症状を上手に収めてくれるのがセロリの熱をおさめて肝気をととのえる働きです。セロリの独特な香りは葉の部分に多く含まれるので余すところなく料理に使ってください。
セロリの効能「春のトラブルを予防する」
春が旬のセロリは、「春の薬膳」に適した食材です。春になると陽気が増し、体の上部に気が上がって熱を帯びやすくなります。これにより、目の充血やめまい、情緒不安定といった春特有の不調が現れやすくなります。
こうしたトラブルの予防に役立つのがセロリです。セロリは「涼性」の食材で、体の熱を冷まし、上昇した気を落ち着かせる働きがあります。そのため、薬膳では春の食材として重宝されます。また、めまい、高血圧、熱っぽさのある「熱証」の方にもおすすめです。
ただし、妊娠中の方や冷え性で胃腸が弱い方は注意が必要です。その場合は、生姜など体を温める食材と一緒に加熱して食べると安心です。