秋の薬膳その1|前半は「温燥対策」

秋はいつからはじまる?

秋は8月上旬の「立秋」から11月上旬の「立冬」までの3ヶ月間。
夏の暑さから少しずつ寒い冬へと移り変わる季節で、気候は徐々に涼しくなり空気は乾燥してきます。薬膳では夏の暑さが残る前半は「温燥の対策」寒い冬が近くなる後半は「涼燥の対策」が必要になります。

肺は乾燥の影響をうけやすい

初秋は夏の暑熱を残しながら空気は少しずつ乾いてきます。乾燥した空気は鼻から口から肺に入るため乾燥の影響を一番うけやすいのが「肺」といわれます。




秋の乾燥が「燥邪」となれば、肺の潤いを奪い、傷つけ、身体の潤いまで奪います。その結果、咳、喘息、肌の乾燥を引き起こします。

秋の前半は温燥対策

前半の対策は、夏のなごりの暑熱を冷ましながら肺を潤す食材を積極的にとります。
・肺を潤す働きがあるもの
・冷ます性質があるもの

収穫の秋と旬の果物

秋は夏に実った果実が熟成して地に落ちる時期。
ちょうど温燥対策に必要な果物を自然は用意をしてくれています。本格的な乾燥が訪れる前に、収穫の秋「旬の果実」を食べましょう。

おすすめの果物
ぶどう、梨、柿、ビワ、いちじく

ぶどう

ぶどう

なし

ブドウは気血を補い夏の疲れを回復させながら、体のほてり、喉の渇きを緩和させます。
梨は生で食べると熱をおさめる清熱の効果が高く、煮ると身体の陰液を補う滋陰の効果が高くなります。

秋の不調「セキ」

ビワの果肉も皮膚や粘膜などを潤しカゼによる咳もおさめてくれますが、ビワは高価な果物なのでビワの葉を使ったお茶が便利です。
ビワの葉は粘膜や皮膚を強化して、肺熱による咳、痰がからむ、のどの痛みなどを緩和する働きがあります。

枇杷の果実と葉

自分で葉を煎じて飲む時は、裏葉の繊毛(細かい毛)を必ず取り除いて使ってください。
手軽に飲みたい時は市販のビワ葉茶を活用しては、いかがでしょう。
ノンカフェインなのが嬉しいです。

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