春の薬膳|辛味は肝の陽気を助け、酸味は肝の陰気を助ける

春に活発になる肝の働き

春は「肝」が活発になる季節。この時期は健康な人でも肝に負担がかかりやすくなるため春の薬膳のポイントは「肝」を養生することが大切です。

肝の働き
・気の巡りを主る
・血を貯蔵する
・筋、目、爪に栄養を与える

辛味は肝の陽気を助け、酸味は肝の陰気を助けます。

辛味と酸味の使い分け

春は万物が栄え始める季節。薬膳用語でいうと「古きを押し出し新しきを発生させる発陳(はっちん)の季節」
春の発陳に対応して人もエネルギーを巡らせて活動を始める準備をする時期です。そして肝も発散することを望みますが、発散しすぎると落ち着かず、発散しないと活動が鈍くなります。

辛味の使い方

立春を迎える2月は気温はまだ低い状態です。動きたくない、気分は憂鬱などの症状がある時は、肝の気が発散できずにいる場合があります。そんな時は「辛味」の食材をとり発散を助けてあげる必要があります。

例えば、菜の花、ローズマリー、ネギなどで、発散させると気血がめぐり活動しやすい状態にしてくれます。

酸味の使い方

春分を迎える3月になると桜も開花し気温は高くなります。この時期にイライラ、のぼせ、落ち着かないなどの症状がある時は、肝の気が発散しすぎて高ぶっている場合があります。そんな時は「酸味」のもつ引き締める性質で発散しすぎを抑えてあげる必要があります。
例えば、いちご、柑橘系のフルーツなどで、収斂させると興奮を抑えてくれます。

気の流れもよくしましょう

肝は気の巡りをコントロールする働きがあります。この働きを疏泄(そせつ)と呼びます。
春になると、胸がドキドキしたり、頭痛、熱が引いたり出たり、胸脇が痛む、イライラする時は、疏泄の働きが失調し気の巡りが悪くなっている状態です。




その時は、まずは「辛味」の食材で発散させてあげます。ただし熱性の辛味ではなく生姜、紫蘇などをもちいるとよいでしょう。
そして「理気」の食材で気の巡りを良くするとよいでしょう。

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