アスパラガスの薬膳効果|疲労回復・咳・むくみを整える春野菜
春から初夏に旬を迎えるアスパラガスは、みずみずしい甘みとやわらかな食感が魅力の野菜です。洋食のイメージが強い食材ですが、薬膳では「身体を潤しながら熱を冷まし、元気を補う食材」として知られています。
乾燥による喉の不快感や咳、疲労感、むくみなど、季節の変わり目に起こりやすい不調をやさしく整えてくれる食材です。
アスパラガスの原産地と日本での歴史
アスパラガスの原産地は地中海沿岸です。中国には19世紀末に伝わり、台湾や福建で栽培が始まりました。
日本にも同じころに伝来しましたが、当初は食用ではなく観賞用として扱われていました。本格的に食用栽培が始まったのは明治時代に入ってからで、北海道を中心に広まっていきます。
現在ではグリーンアスパラだけでなく、ホワイトアスパラも栽培されています。ホワイトアスパラは、芽が出る前に土を盛って日光を遮る「遮光栽培」で育てられます。一方、グリーンアスパラは日光を浴びて育つため、鮮やかな緑色になります。
遮光栽培されたホワイトアスパラは繊維がやわらかく、胃腸にもやさしいのが特徴です。そのため、薬膳では「補気作用」がより高く、疲労回復や体力不足のときに向いていると考えられています。
アスパラガスの薬膳効能|滋陰清熱・潤肺止咳
アスパラガスの主な薬膳効能は、
・滋陰清熱(身体を潤し熱を冷ます)
・潤肺止咳(肺を潤して咳を和らげる)
・降圧利尿(水分代謝を整える)
「滋陰清熱」の働きにより、身体の余分な熱を冷まし、喉の渇きや乾いた咳を和らげます。また利尿作用があるため、むくみや膀胱炎、排尿トラブルなど、水分代謝の乱れが気になるときにも役立ちます。
身体の余分な水分を排出しながら、必要な潤いは守る。アスパラガスにはそんな穏やかな働きがあります。
気血不足や疲労回復にもおすすめ
アスパラガスは、気血不足の状態にもよい食材です。薬膳では、胃腸の働きが弱ると「気」を十分につくれず、疲れやすさや食欲不振につながると考えます。アスパラガスは消化器系の働きを高め、食欲を増進させながら、身体に必要なエネルギーを補う働きがあります。
そんなときには、やわらかく蒸したホワイトアスパラや、スープ仕立てにしたアスパラ料理がおすすめです。卵や鶏肉と組み合わせると、さらに「気血」を補う力が高まります。
アスパラガスと生薬「天門冬」の関係
アスパラガスと同じ仲間である「クサスギカズラ」の塊根は、生薬の「天門冬(てんもんどう)」として使われています。天門冬の薬膳効能は「滋陰潤肺」で、肺を潤し、乾燥による咳や喉の渇きを和らげる働きがあります。
アスパラガスにも、身体を潤して熱を冷ます性質があり、効能には共通点があります。春から初夏は、気温上昇などで身体の潤いが不足しやすい季節でもあります。そんな時期に、アスパラガスのみずみずしさは身体を内側から整える助けになります。

