5.潤す

柘榴(ザクロ)

薬膳効果
渇きを止める

ザクロの種子と皮の薬膳効能

ザクロの産地は諸説あるがイラン地方が原産で中国へは葡萄とともに入り、日本に10世紀頃に伝来しました。可食部は種の部分で生食、ジュース、シロップ、煮込み料理などに使われます。
用例では皮付きの果実や未成熟の果実を使われており、種子のみがもつ効能とはやや異なります。

種子に含まれる植物性エストロゲン

種子は潤いの性質は口の渇き、声のかすれを緩和します。しかし酸味と渋みがあるので胃腸を刺激しやすいので過食には注意をしてください。

またザクロには女性ホルモンと同じ分子構造をもつ植物エストロゲンはザクロの種子から発見されました。そのため肌に弾力を与えたり、憂うつな更年期障害や骨粗鬆症を緩和してくれます。

皮付き・未成熟果実の効果

未成熟の果実の酸味で収斂作用がはたらき、下痢、崩漏、滞下(おりもの)を改善します。

中医営養学

ザクロ科ザクロ属
甘酸渋/温
性味
腎、大腸
帰経
生津止渇、渋腸止咳
効能
下痢、咳、口内炎
適応

本草綱目

安柘榴:甘酸/温、咽頭の燥渇、能理乳石毒
甘いザクロを過食すると肺気を損なうので注意すること

甘柘榴と酸柘榴

薬用柘榴の花、皮、根のはたらき

ザクロは甘味ザクロと酸味ザクロの2種類あり食用には甘いザクロ、薬用には酸味ザクロが使われ、根、皮、葉、花も薬用に使われます。

ザクロの花と根

花は白髪、吐血に用いられ、根は酸味と渋みが強く温性で有毒です。

ザクロの皮

皮は酸味と渋味があり温性です。肝、胃、大腸に働き下痢、崩漏、滞下(おりもの)、脱肛にも用いられます。

ザクロの渋味の主な成分はタンニンです。過食するとタンニンが胃腸の機能を失調させることがあるので注意が必要です。