5.潤す

酸奶(ヨーグルト)

薬膳効果
便秘、肌荒れの改善

薬膳式!効果的なヨーグルトの食べ方「便秘、乾燥肌、肌荒れ」

ヨーグルトは牛や羊の乳を一度加熱してから人肌になるまで冷ましてから乳酸菌を加え発酵させてつくります。現代では乳酸菌の種類で腸活のためのヨーグルトを選ぶ傾向にあります。

一般的に乳酸菌は、腸内での消化や栄養吸収を促進し有害な微生物の増殖を抑制するなどの働きがあります。特定の種類の乳酸菌は、特定の効果(免疫系を支援、消化を助ける、痩せる)をより強く発揮する可能性があります。

臓腑が潤っていれば乾燥肌、便秘は改善する

ヨーグルトの主成分である牛乳も潤いを与える効能がありますが、乳酸菌によって発酵し消化吸収しやすくなったヨーグルトは、補陰、滋陰効果が牛乳より高い食品にうまれかわります。
さらに消化器系の粘膜を保護する働きも兼ね備えており、その結果、乾燥肌やほてり、便秘など、体の潤い不足に関連する症状が改善されます。

牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする人でも、牛乳を発酵させる過程でゴロゴロの原因になる乳糖が分解されているのでヨーグルトは胃腸に負担をかけずに体に必要な潤いを与えてくれます。

体内乾燥がおさまると肌荒れも改善する

肌荒れの原因は様々ありますが、こもった熱の暴走が身体の潤いを奪うことで肌の乾燥をまねき、上半身のほてり、腸内まで乾燥すれば便秘になり肌荒れもおこります。

これは体の、陰(水)と陽(熱)のバランスが崩れたことによる症状で、陽の過剰な活性化あるいは陰の不足によって熱は暴走します。
ヨーグルトを食べることで潤いを補充し、熱の暴走が止まれば、便秘、皮膚の乾燥、乾燥による肌アレも改善されていきます。ヨーグルトは陰を補ってツルツル肌づくりに、欠かせない食べ物といえるでしょう。

ヨーグルトの効能「養陰」と「潤下」について

養陰の「養」は羊に食を与えて育てる意味があり、ヨーグルトの「養陰」の働きは、私たちの体に必要な陰液をじっくりと補充することを指します。
そして、「潤下」の「潤」とは、その名の通り、潤いを持たせることを意味します。水は下へ下へと流れていく性質があり、それが私たちの体にも潤いを与えることを象徴しています。

中医営養学

発酵乳
甘酸/平
性味
肺、脾、大腸
帰経
養陰開胃、補虚、潤下
効能
ほてり、不眠、口渇、乾燥によるかゆみ
適応

薬膳式の腸活ヨーグルト

便秘のタイプに応じてトッピングを選ぶ

女性にとって便秘は身近な問題で、医学的には排便が2〜3日に1回程度しかおこらなく、スムーズに排便できない、便秘でお腹が苦しいと感じる場合を指します。

便秘に悩むとき、まずは自分の体に合った解決策を見つけることが大切です。おすすめしたいのは腸内環境を整えるために、好きなヨーグルトを2週間ほど継続して食べることです。そうすることで、自分にぴったりの乳酸菌を見つけることができます。さらに、便秘のタイプに応じた食材を工夫してトッピングしてみるのも果的です。

便秘の4つタイプ

薬膳ではタイプ別の食べ合わせが基本です。自分のタイプを知り、それに合わせた食材と一緒にヨーグルトを召し上がってください。

1.熱で乾燥する便秘

・便がかたい
・ほてり、のぼせ、目が赤い
・揚げ物、肉が好き
・よく食べすぎる
体にこもった熱で便が乾燥して硬くなるタイプの便秘です。このタイプは熱をさます南国フルーツやバナナが適しています。
熱を冷ます食材:バナナ、いちご、キウイ

2.冷え性の便秘

・冷えを感じるとお腹がいくなる
・トイレが近い、尿の色がうすい
・冷え性である
体が冷えて腸の動きが鈍くなり老廃物が詰まってでないタイプです。このタイプは普段から温める食材をとりつつ、シナモン、黒砂糖をトッピングすると良いでしょう。
身体を温める食材:シナモン、黒砂糖

3.エネルギー不足の便秘

・排便後に汗がでる
・疲れやすい
・胃腸が弱い
・カゼをひきやすい
・寝不足、過労ぎみ
エネルギーのもとである「気」が不足すると老廃物を排泄する力も弱くなります。虚弱体質、病後、老人に多い便秘です。食事でもイモ類、キノコ類をとりエネルギーアップをはかりましょう。
気を補う食材:きな粉、ココナッツ、クルミ

4.ストレス性の便秘

・便秘と下痢をくり返す
・生理前に便秘になり胸がはる
・ゲップがでる、ガスがたまる
・ストレスを感じる
人はストレスを感じると気が滞ります。気が停滞すると便を押し出す力も停滞するので便意はあるが出ないタイプです。このタイプは柑橘系フルーツで気を巡らし、日ごろからストレッチや運動で滞ったエネルギーを発散させることも必要です。
気をめぐらせる食材:柑橘系フルーツ、バジル