分類
バラ科ビワ属

枇杷は皮膚や粘膜などを潤しカゼによる咳もおさめます。性質も涼性で気を降ろす作用があるため、暑気あたり、微熱、ほてりがある人にとても適した果実です。ただし水分代謝の悪い人、冷え性には良くないので控えめに。

粘膜を潤す枇杷

枇杷のオレンジの色素にはβカロチンが含まれ体内でビタミンAに変わり粘膜の乾燥を防ぎます。特に肺を潤す働きがあるため、肌の潤い不足、カラ咳が続く時、喫煙する人にはおすすめの果実です。

中医営養学

期待される効果
甘酸/涼
性味
脾、肺、肝、胃
帰経
潤肺止咳、生津止渇、降気化痰
効能
肺熱による咳、口渇、げっぷ、胃もたれ
適応

本草綱目

甘酸/平 止渇、下気、利肺気。上焦の熱に効果あり、五臓を潤す。

ビワの木は薬用の王様

中国では古来よりビワの木は「大薬王樹(だいやくおうじゅ)」と呼ばれ、食用、薬用として重宝されてきました。日本へも治療用として伝わったことから「びわ療法」が用いられていました。

花:淡/微温、傷風感冒、咳嗽、痰血
葉:苦/平、肺胃、化痰止咳、和胃降逆、止嘔
果核:苦/涼、化痰止咳、疏肝理気
*枇杷の種子をお酒に漬け込んだ「枇杷酒」は杏仁に似た芳香があります。