7.除く

大根(ダイコン)

薬膳効果
もたれを解消

胃腸ケアの達人「大根の消化力」

大根の原産は西アジアといわれ中国では菜箙(らいふく)という名で古くから栽培されていたと考えられています。日本で古くから栽培されているもので、丸大根の代表は「聖護院だいこん」「桜島だいこん」。長大根では「練馬だいこん」があります。

薬膳の効能は、消化不良を解消する「消食」の働きで、胃もたれ、お腹のはりをなくし、便通もよくします。熱性の食材を食べたあとに大根を食べると胃をすっきり調えてくれます。

生食と熟食の効能の違い

歴代の本草書には生のまま食べる生食、加熱して食べる熟食では異なる効能が記載されています。生食は上昇発散させて冷やす作用があり、熟食は下降し温めます。
共通する効能は消食、解毒、止咳などがあります。

喉の不快感、大根飴の効果とは

大根には「化痰」の働きがあり、食べると痰の出をよくして気管支をスッキリさせます。このことから黄色い痰や咳、喉の不快感、口内炎にも有効です。
古くから伝わる民間療法の「大根飴」は、大根の喉の痛みを抑える働きと、はちみつの潤いを与える働きで喉の不快感を緩和します。

大根飴のつくり方
大根は皮をむかずにサイコロ状にカットし、その上から蜂蜜を大根がひたひたになるまで注ぎ3時間ほど漬け込みます。
浮かんできた大根をのぞき、大根飴をそのまま飲んだり、少しお湯を入れてお湯割りでも美味しいです。

生食

アブラナ科ダイコン属
甘辛/涼
性味
肺、胃
帰経
寛中下気、消食化痰、清熱
効能
消化不良、胃もたれ、口渇
適応

熟用(加熱)

アブラナ科ダイコン属
甘辛/平
性味
肺、胃
帰経
行気、通便、化痰
効能
消化不良、便秘、咳嗽
適応

本草綱目

根:辛甘/温、下気、和中、去痰癖。生汁:止消渇、解酒毒、散瘀血
葉:辛苦/温

食エッセイ「だいこん」

ルンバな野菜「大根サラダ」

今夜は何だか胃が重たく感じられる。食欲は湧かない。
しかし夕食をいつも通りに摂らないと、寝る前にはお腹が空き、夜中には何度か目が覚めるなどリズムが崩れてしまう事がある。

そんな時に作るのが大根サラダ。大根サラダといっても簡単にできるものが良く、生大根を薄く細切りにし上には鰹節をたっぷりと散らすだけのシンプルなものや、ツナを加えて風味豊かに仕上げるツナ入り大根サラダも良い。

簡単な大根サラダをひとつ添えるだけで、夕食の量は気にせず消化も促進され、さらには夜間の眠りも助けてくれる。
大根という野菜は、まるで胃袋をクルクル掃除するルンバのような存在で、身体をデトックスし新しいエネルギーを満たしてくれる。

大根の産地、旬について

大根は日本全国で栽培されており、特に冷涼な気候の地域での生育が適しており、北海道や関東地方、中部地方、九州地方など各地で生産されています。低カロリーでありながら、食物繊維やビタミンC、ミネラル(特にカリウム)が豊富に含まれています。
大根は通年、出回っていますが、特に冬季に美味しいものが多くなり、寒冷な気候が大根に甘みを与え食感が良いといわれています。

大根は生で食べるほか、煮物、おろし大根、漬物など、様々な調理法で利用され、日本の伝統的な料理に欠かせない野菜です。

大根と魚、相性のよい食べ方

ダイコンにはカルシウムの吸収を阻害するシュウ酸が含まれていないので、小魚と一緒に煮るとカルシウムが吸収されやすくなります。
また大根おろしには焼き魚のコゲに含まれる発がん性物質を解消する成分が含まれているため、焼き魚にはたっぷりの大根おろしをそえるとよいでしょう。