ストレス緩和効果に注目される「烏龍茶」
烏龍茶はその深い黒い色合いと曲がりくねるような形状が烏や龍に似ていることから「烏龍」と名付けられました。昔はお茶の代表といえば緑茶、紅茶、黒茶が主流でしたが中国の清朝時代に青茶が誕生し、その代表となったのが烏龍茶です。
一説によると中国の尼僧や禅僧たちは修行の疲れや睡魔を克服するためにお茶を欠かさず愛飲していました。中でも烏龍茶のもつ香りや奥深い味わいが心身を癒してくれると信じられていました。
彼らは茶を通じて心を静め精神をリフレッシュさせる手段として烏龍茶を手元に置いていたようです。
養心安神の効能をもつ飲料
烏龍茶には「養心安神」の働きがあり、これは心を穏やかにし、精神を静寂な安らぎに導く効果があります。また、ストレスが増すと体内に熱がこもりやすくなりますが、涼性の烏龍茶は、程よく熱を冷ますと同時に、その独特の香りが心地よい癒しをもたらし、ストレスを優しく和らげてくれるのです。
食積や水太りの解消に効果あり
烏龍茶は食積や痰などの老廃物を除く「化痰消食」の働きがあります。脂っこい食事をしたあとに烏龍茶を一杯飲むと胃のもたれを軽減できます。また暑気あたり、口の渇きを感じる時にも烏龍茶はおすすめです。
発酵により寒熱の性質が変化します
緑茶(不発酵)、烏龍茶(半発酵)、紅茶(全発酵)は同じ茶樹が原料ですが発酵度の違いにより色や香味が徐々に変化していきます。薬膳では発酵度合が低いと身体を冷やし、高くなると身体を温める作用が強まります。
烏龍茶は茶葉を干してから軽く発酵させ香りをひきだしてから良く揉んで、最後にまた乾燥させて仕上げます。その発酵具合は25~80%と幅の広いお茶です。