銀杏は古来より咳止め、夜尿に悩むときに生薬または民間薬として使われてきました。特に肺の働きをよくして呼吸機能をととのえます。
晩秋に近づくと独特の臭いのある硬い殻に包まれた実が熟し食用に適した状態になります。銀杏は炒っても、煮て食べてもよいですが生食は禁忌です。また大量に食べると稀に中毒をおこす場合があるので注意が必要です。
生薬名は銀杏(ギンキョウ)
ギンキョウは収渋薬(しゅうじゅうやく)に分類され、咳止め、呼吸困難などの呼吸器系のトラブルに効果を発揮します。咳止めの効果を高めるには杏仁(あんにん)や百合根(ゆりね)と一緒に使います。
トイレに行く回数が多い、帯下(おりもの)が多いなどの、下のトラブルには蓮の実と一緒に使うと「止帯除濁」の効果が高まるので、ぜひ薬膳にも応用してください。
【収渋薬とは】
止咳、縮尿、固製精、止寫など、散じるもの、漏らすものを渋みの効果で渋らせて収めます。ただし感冒、下痢の初期に使うと邪を中にとどめて病を長引かせてしまうこともあるので注意が必要。