5.潤す

蜂蜜/蜜糖(ハチミツ)

薬膳効能
肺と腸に潤いを与える

人体に潤いを与える

はちみつは「潤肺」の効能で肺に潤いを与えるためカゼ予防に効果があります。喉の乾燥、肌の乾燥がある時はハチミツの保湿性が乾燥症状を和らげます。
また天然の軟膏ともよばれ人体に吸収されやすい性質があり、古くから民間療法で細菌感染症、口の端が切れる口角炎や口内炎などの治療に蜂蜜が使われていました。

体力回復に役立つハチミツ

ハチミツは胃腸を丈夫にして消化吸収力を高める働きもあります。ハチミツの糖分は花の蜜であるショ糖をミツバチの体内で唾液酵素などによってブドウ糖と果糖に分解します。そのため消化吸収されやすく、即効性あるエネルギー源となり体力のない人にもよいでしょう。
また胃腸の痛みを緩和する働きもあります。

【禁忌】1歳未満の乳児がはちみつを食べると「乳児ボツリヌス症」にかかることがあるので食べさせないでください。

中医営養学

期待される効果
甘/平
性味
脾、胃、肺、大腸
帰経
補中潤肺、止痛潤肌、潤腸通便
効能
脾胃虚弱、疲労、から咳、便秘
適応

本草綱目

甘/平または涼 心腹邪気、安五臓諸不足。益気補中、止痛解毒

生薬名は蜂蜜(ほうみつ)

ハチミツは生薬としても使われます。
滋潤性をもち潤燥滑腸に働くほか、生用すると肺を潤し、火を通すと止痛に働きます。

便秘の改善「潤腸通便」

腸を潤して便通を促す「潤腸通便」の働きがあり、乾燥症状による便秘に用いられます。お湯で溶いて飲んでもよいし、慢性便秘には胡麻仁と使用すると効果が高くなります。

胃痛に「緩急止痛」

脾胃虚弱による胃痛や腹痛をおさめます。

メープルシロップとハチミツの違い

メープルシロップはサトウカエデの樹液からしか作られませんが、ハチミツはミツバチが集めた花の蜜のため、蜜源が多く存在することから成分の違いが多少あると考えられます。

薬膳効能は、どちらも人体に潤いを与える「潤肺」「潤腸」の働きがある甘味料です。
ハチミツはハチの唾液に含まれる酵素の働きも加わるため「解毒」の効果を期待できます。保存方法はハチミツは開封後も常温保存、メープルシロップは開封後は冷蔵庫に保存します。

ただ近年はハチミツに基準値を超えるグリホサートが含まれているとの懸念もあるため、厳しい品質管理を通過したハチミツ商品を購入した方が安心です。

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