5.潤す

無花果(イチジク・フィグ)

薬膳効果
美肌、健胃

美容と健康に役立つ効能がいっぱい

いちじく(無花果)は紀元前3000年頃のメソポタミア文明ですでに栽培がおこなわれ人類史最古の栽培果実ともいわれています。
中国にはインドを経て伝来し『本草綱目』には無花果の名で記載されました。日本には江戸時代に伝来し「蓬莱柿(ほうらいし)」という品種名で流通しました。

女性の食養生にぜひ食べてほしい果実

いちじくは植物性エストロゲンを多く含んでいるということで近年注目をあびている果実です。体内で女性ホルモンであるエストロゲンと同じ様な働きをすることから植物性エストロゲンと呼ばれています。

内側から潤いをうみだす果実

薬膳の主な効能は「潤肺」「生津」で体に潤いをもたらします。肺を潤して咳を鎮める、粘膜や肌の乾燥、便秘、母乳不足などの潤いが不足しがちな人に適します。
また古くから胃腸が虚弱な人におこりやすい、食欲不振、消化不良などを改善するため健胃、整腸薬にも利用されてきました。

イチジクの収穫時期

イチジクの収穫時期は品種によって異なりますが、冬を越して成長し翌夏に熟す「夏果」と、春に実をつけて秋に熟す「秋果」があり年に2〜3回ほど収穫期があります。

6月~7月に収穫する『夏果』は冬を越してじっくり時間をかけて育ち、さっぽりした甘味が特徴です。8月~11月に収穫する『秋果』は夏果に比べると小さめですが濃厚な甘味が特徴です。
いちじくの果実は鮮度が落ちやすいため完熟後二日以内が美味しく食べられます。

中医営養学

クワ科イチジク属
甘/平
性味
肺、脾、胃、大腸
帰経
生津利咽、潤肺止咳、健脾開胃
効能
から咳、咽頭痛、便秘
適応

本草綱目

甘/平 開胃、止泄痢、治五痔、咽頭痛

イチジクの名前

無花果
フィグ
イチジクの英名フィグは服装、着物という意味があります。それはアダムとイブが身に着けた人類はじめての衣服から由来しています。

イチジク
実が一か月で熟す。または一日に一果ずつ実が成熟するので「一熟(イチジク)」の説もあります。

無花果
花を咲かせず実をつけるように見えることに由来します。しかし実際は果実の中に花があり外から見えません。食べたときに口の中でプチプチとするのが本当の実です。

いちじく
イチジクはタンパク質分解酵素のフィシンを含むので空腹時に食べるより、食後のデザートとして食べると肉や魚の消化を助けます。