7.除く

蕪(カブ)

薬膳効能
脾胃を温めて消化を促す

消化不良に効果あり

かぶは日本では古くから大切な農作物として食され、春の七草のうちのひとつ「すずな」とも呼ばれています。
かぶは温性で「利五臓」「消食」の効能をもち、お腹を温め、五臓を養い、消化を助けます。食べすぎ、胃が重たい、吐き気、おなかの張りがあるときにおすすめです。

冷えによる胃の痛みにも

冷え症の人は、胃腸が冷えると上腹部または腹部にガスが充満し胸部が圧迫されて、胃に痛みをともなうことがあります。寒い季節になると胃のあたりが痛みやすい、そんな時には、気をめぐらせる柚子皮をそえて食べると胃腸の調子をととのえてくれます。

胃腸を調える薬膳スープ

またカブは洋風料理にもよく合います。じゃがいもの代わりにカブを使ったポトフは優しくてさっぱりとした味に仕上がります。消化能力が落ちている時でも安心して食べるられるので、胃腸をととのえる薬膳スープとしてお召し上がりください。

カブは水分が多く火の通りが早い野菜です。カブの形を美しく残すには、切り口を面取りをしてからたっぷりの出汁を加えて調理すると煮崩れしにくいです。

中医営養学

アブラナ科アブラナ属
甘苦辛/温
性味
脾、肺
帰経
利五臓、益気消食、開胃
効能
消化不良、便秘
適応

飲膳正要

根:甘/平、温中、益気、心腹冷痛
葉:苦/温、利五臓、軽身、益気
種子:明目

かぶの豆知識

かぶの効能・古典を読み解く

かぶの食性は温と涼のどちらにするか見解がわかれることがあります。『飲膳正要』は温中益気であるが『千金方』は消風熱毒種です。

かぶは大根は効能と似ているところがあります。大根は生で食べると涼性で下気、発散に働き、加熱すると平性で行気、通便に働きます。このことからかぶも調理によって効能の変化が生じる可能性もあるかもしれません。

かぶの葉と野沢菜

長野県で有名な野沢菜はアブラナ科アブラナ属の植物でルーツは蕪(かぶ)です。

野沢菜は葉茎を利用するため「天王寺かぶら」を改良し、根が肥大しないように作られました。そのため、野沢菜はかぶの葉と同じものと言えるでしょう。