6.補う

可可(カカオ・ココア)

薬膳効能
心を強化する
養生モノ語り
動画:1分39秒

気力回復と精神安定

ココアやチョコレートの原材料であるカカオは精神疲労からおこる不安感をやわらげ、体の疲労回復に役立ちます。気を補う「補気」、心の機能を強化する「強心」の働きがあることから養心薬、滋養強壮の効果をもたらしてくれます。

カカオの幸せホルモン

カカオには抗うつ作用のあるフェニルチアンが含まれており、これは恋愛している時にでるホルモンに類似した物質で楽しい気分にさせる効能があります。適度な喜びは「心」の機能を高め精神を安定させます。

朝ココアがもたらす効果

カカオは血の流れをよくする「活血」と、気を昇らせる性質があります。低血圧のめまい、活発にうごけない人は、朝にココアを少しずつ飲み続けると活動を助けてくれます。

チョコレートはハイカカオを

カカオは元気不足や血の滞りを改善する働きがありますが、チョコレートは砂糖の含有量が多ければ多いほどカカオがもつ性質とは異なります。カカオの働きを効かせたい時はハイカカオ(カカオの含有率が70%以上)のチョコレートのを選びましょう。
ただし脂質を多く含むため胃腸の弱い人、老人は食べる量に注意が必要です。

中医営養学

アオギリ科カカオノキ属
苦甘/平
性味
心、胃、大腸
帰経
補気強心、活血化瘀、利水
効能
疲労、倦怠感、小便不利
適応

カカオ、ココア、チョコレート

ココアとチョコレートの違い

チョコレートとココアは原料は同じカカオ豆からつくられ途中までは同じ工程です。

カカオは年間を通して、高温多湿、有機質に富んだ湿った土壌、なおかつ排水が良好なところでカカオは栽培されます。
果実はラグビーボールのような形をして、木の幹から直接生えてきます。

果実(カカオポッド)を割ると中に、数十個のカカオ豆が入っており、カカオ豆はとても苦い味がします。
その苦さから動物は生のカカオ豆は食べません。

しかし白い果肉に包まれた種を発酵させてからじっくり焙煎すると苦みが弱くなり香ばしい芳香を放つようになります。

焙煎されたカカオ豆をじっくり時間をかけてすりつぶしたものがカカオマス。
カカオマスに砂糖、乳化剤、油脂などを加えるとチョコレートができ、カカオマスを搾油しカカオバターの一部をのぞいて粉末に加工したものがココアです。